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写真家・奈良原一高の『王国』を展示、修道院と女性刑務所の人々を捉えた87点を紹介

2014年10月30日 19:40  CINRA.NET

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奈良原一高『「王国」より沈黙の園』 ©Narahara Ikko Archives
『奈良原一高 王国』展が、11月18日から東京・竹橋の東京国立近代美術館で開催される。

1931年生まれの奈良原一高は、戦後を代表する写真家のひとり。早稲田大学大学院に在学中の1956年に開催した個展『人間の土地』で注目を集め、1958年の個展『王国』で『日本写真批評家協会賞』新人賞を受賞した。1959年には東松照明、細江英公ら共にセルフエージェンシーのVIVOを結成している。

今回の展覧会では、奈良原の初期の代表作である『王国』シリーズのほぼすべてを網羅する87点を展示。『王国』は、北海道の修道院と和歌山の女性刑務所という外部から隔絶された場所に生きる人々をテーマにした作品群だ。タイトルは、アルベール・カミュの短編集『追放と王国』にちなんでおり、奈良原は作品発表時に同書に収められた『ヨナ』から、「その中央にヨナは実に細かい文字で、やっと判読出来る一語を書き残していた。が、その言葉は、Solitaire(孤独)と読んだらいいのか、Solidaire(連帯)と読んだらいいのか、分からなかった」というフレーズを引用している。

同時開催の『MOMATコレクション』展では、奈良原のデビュー作となる『人間の土地』シリーズ、70年代に発表したシリーズ『ブロードウェイ』の一部も展示。奈良原の初期の仕事をまとめて見ることのできる機会となっている。