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スーパー耐久鈴鹿:ST-XはGTNET ADVAN NISSAN GT-Rがニッサン同士のバトルを制し今季3勝目

2014年10月27日 11:30  AUTOSPORT web

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スーパー耐久鈴鹿のST-Xクラスを制した星野一樹/尾本直史/青木孝行組のGTNET ADVAN NISSAN GT-R
スーパー耐久第5戦は26日に、STX/ST1/ST2/ST3クラスによるグループ1の決勝レースが行われ、総合優勝を星野一樹/尾本直史/青木孝行組のGTNET ADVAN NISSAN GT-Rが獲得。今季3勝目をマークし、王座獲得に大きな前進を果たすこととなった。

 土曜日のST4/ST5クラスによるグループ2の決勝レースに続き、日曜日にはグループ1の決勝レースが行われた。STXクラスのポイントリーダー、GTNET ADVAN NISSAN GT-Rは尾本がホールショットを決めたが、すぐに襲いかかってきたのがスリーボンド日産自動車大学校GT-Rの藤井誠暢だ。「最近になってセットの方向性が見えてきて、練習から調子が良かったので、仕掛けるなら早い方がいい」とオープニングラップのS字で尾本のインを刺し、早くもトップに浮上。そのまま逃げ続けて26秒ものリードを築いてGAMISANへバトンタッチ。最終スティントを担当する高星明誠にも、トップでつなぐこととなった。

 しかし、終盤になって高星に星野一樹が急接近、次第に差は詰まっていく。そして、残り10分を切ったところでテール・トゥ・ノーズ状態とした星野の気迫に押された形で、高星がS字でダートに足を落としてしまい、勝負に決着が。「この2連勝はすごくでっかい!」と星野。第2スティントを担当した青木は、この日がちょうど誕生日とあって喜びを二倍にしていた。

 その総合でのトップ争いと、ほぼタイミングを同じくして盛り上がりを見せていたのがST2クラス。STURM MOTUL EDインプレッサの吉田寿博に迫っていたのは、RSオガワADVANランサーの阪口良平だ。スタート直後に「予想以上に早く前に追いついてしまい、危険回避のためインに行ったんですが……」と、阪口は1コーナーでSTURM MOTUL EDインプレッサの松田晃司と接触。幸い、両車ともに走行に支障を来すほどのダメージは負わず、そのままトップ争いを続けていった。第2スティントを担当したのは、それぞれ大澤学と大橋正澄。このふたりは等間隔で周回を重ねていたが、最後の最後にバトルが再び勃発した格好に。

 必死にガードを固め続けた吉田ながら、容赦のない阪口の連続チャージに屈したばかりか、逆転を許した直後の2コーナーで痛恨のオーバーラン。これにより、辛くも阪口が逃げ切りに成功し、RSオガワADVANランサーは今季2勝目をマークした。

 ST3クラスでは、前回の開幕4連勝で早々とチャンピオンを獲得し、今回を凱旋レースとするとともにシリーズ完全制覇を狙ったのがasset ings Z34の35号車を駆る、前嶋秀司/佐々木雅弘/廣川和希組。フリー走行でも好調でトップタイムをマークしたが、決勝が始まって間もなくABSにトラブルが発生。そうそうに夢を断たれてしまうこととなる。

 代わって主役の座を射止めたのは、佐藤晋也/鶴田和弥/神子島みか組のTRACY SPORTS TWS C-WEST IS350の39号車だった。クラス6番手からのレースだったが、わずか2周でトップに浮上。そのスピードを最後まで維持して、待望の初優勝を飾った……となるはずが。レース後にエアクリーナーの規定解釈の相違が発覚し、失格となってしまう。「パフォーマンスに影響を及ぼすようなことはないと聞いていますけど」と佐藤はガックリうなだれた。

 繰り上がって優勝を飾ったのは、山崎学/伊橋勲/安宅光徳組の岡部自動車サントラント195マイカーズZ33。スタートからロングスティントを伊橋が担当してトップに浮上、いったんは後退したものの、終盤に2番手に上がっていたことが福音をもたらすことになった。「表彰台にも上がっていないので、いまいちしっくり来ないのですが、久々の優勝をじっくり後から噛み締めようと思います」と伊橋。

 ST1クラスでは、スタート直後にトップに立った中山雄一/平川亮/畠中修組のKeePer I.P.Sが3連勝。今回、堀主知ロバート/山野直也/佐藤茂組のFaust Racing BMW Z4の優勝を許せば、最終戦を待たずに連覇を許してしまったが、有効得点の関係で逆リーチをかけることともなった。「最終戦は僕と平川がスーパーフォーミュラとかぶってしまい、出られないので代わりに乗るアンドレア・カルダレッリ選手と山下健太選手に、畠中選手の王座獲得をアシストしてもらうことになっています」と中山は語った。

(はた☆なおゆき)