26日に鈴鹿サーキットで開催されたWTCC世界ツーリングカー選手権日本ラウンドの決勝レース1で、ポールポジションからスタートしそのまま優勝、2014年のWTCCチャンピオンを決めたホセ-マリア・ロペスが、レース後初戴冠の感想を語った。
GP2など長年フォーミュラでステップアップ、ルノーF1のテストドライバーにも起用され、2010年には参戦の噂があったUSF1でシートを得つつも、F1参戦は結局実現せず。その後母国アルゼンチンに戻っていたロペスは、自身初となるワールドチャンピオン獲得に、パルクフェルメで喜びを爆発させた。
今季、WTCCにワークス参戦したシトロエンに起用され、フル参戦は初年度ながら素晴らしい速さで勝ち星を重ねてきたロペスだが、この鈴鹿を前にプレッシャーがかかっていることを公言していた。ただ、予選でポールポジションを獲得し決勝日を迎えても「不思議と緊張しなかったんだ」という。
「今日のレースはスタートが重要だったと思う。今シーズンを振り返っても、今日のスタートはベストだったんじゃないかな」とスタートを決めたロペスは、唯一逆転タイトルの可能性があったイバン・ミューラーがリタイアしたことで、チャンピオンが決まった。「レース途中でイバンがトラブルを抱えたけど、それを聞いた後は最後まで自分にトラブルがないように集中した。最後までやりきったことで本当に幸せに思うよ」という。
レース後、ようやくプレッシャーから解放されたかのような笑顔をみせたロペスは、「信じられない気分だね。本当に最高だ。今年はそんなに簡単な1年じゃなかった。家族、それに友人、僕を支えてくれた皆に感謝したい。それにシトロエンにも感謝しなくちゃいけない。僕をシーズン開幕前に起用してくれたこともそうだし、支えてくれたチームのみんなに感謝したい」と語った。
「そして何より嬉しいのは、僕のアイドルであるアイルトン・セナと同じように、この鈴鹿でチャンピオンを決めることができたことだ。本当に幸せな気分だよ。セナはここで二度チャンピオンを決めているけど、チームメイトとの争いで失ったこともあったよね。でも、僕にとってはそんな心配はいらなかった。僕たちはいつもフェアに戦っているし、4位でもチャンピオンを得ることができたからね」
ロペスのワールドチャンピオン獲得は、アルゼンチン人のレーシングドライバーにとって、1957年にF1王座を獲得したファン-マヌエル・ファンジオ以来となる。
「僕が達成できたことは本当に光栄に思うよ」とこの話題についてロペスは語った。
「50年以上経っているけど、彼が過去にそういう成績を残したことにより、僕は熱いサポートを受けることができたと思うし、地元でのレースも大きな声援を受けることができたからね」