WTCC世界ツーリングカー選手権日本ラウンドは26日、決勝レース1が行われ、ポールポジションからスタートしたホセ-マリア・ロペス(シトロエン)が後続のバトルを後目にポール・トゥ・ウイン。フル参戦初年度で悲願のワールドチャンピオンを獲得した。
午前にスーパー耐久のグループ1が行われ、14時30分に迎えたWTCC世界ツーリングカー選手権日本ラウンドの決勝レース。予選順位どおりのレース1、トップ10のリバースグリッドによるレース2と争われていく。
一時は雨の予報もあったものの、爽やかな晴天の下迎えたレース1。フルコース開催となり、11周のみという超スプリントでどんなレースが展開されるのか注目が集まった。迎えたスタートでは、ポールポジションのホセ-マリア・ロペス(シトロエン)が好スタート。2番手スタートのイバン・ミューラー(シトロエン)が続く。
一方スタートで失敗したのは3番手スタートのセバスチャン・ローブ(シトロエン)。4番手スタートのトム・チルトン(シボレー)、5番手スタートのウーゴ・バレンテ(シボレー)が先行し、ローブは5番手にドロップ。一方、10番手スタートのガブリエレ・タルキーニ(ホンダ)が好スタートを決め、6番手ノルベルト・ミケリスとともにシビック勢が前を追った。
序盤、ストレートスピードの優位を活かしロペス、ミューラーという2台のシトロエンが3番手以下を広げていく。大混戦となったのは3番手のバレンテ以下。序盤は鈴鹿での抜きどころを探るかのようなジャブの打ち合いになり、3番手バレンテから15番手ミハイル・コズロフスキ(ラーダ)までが数珠つなぎのまま周回が重ねられていく。
上位陣の中では、5番手ローブがなんとか前のシボレー2台を切り崩そうとバトルを仕掛けていくが、バレンテ、チルトンのふたりはローブを封じ込めていく。このまま上位は膠着したままチェッカーか……という流れだったが、波乱は7周目に起きた。なんと、2番手を走っていたイバン・ミューラーがデグナー立ち上がりで左リヤタイヤにトラブルを抱えスローダウンを喫してしまったのだ。
予選までは盤石の様相を呈していたシトロエン勢だが、これで表彰台圏内となったのは首位のロペスのみ。9周目には2番手バレンテに8秒のリードを保っており、自身初のワールドチャンピオン獲得を決めるべく、残すは自らとの戦いになっていく。
一方、2番手争いは残り2周のスプーンから一気に激しさを増した。3番手チルトンが2番手バレンテのインを突くと、バレンテは続く130Rでややコースアウト。その間にローブが3番手をバレンテから奪っていく。さらにバレンテはミケリスとシケインで接触しながらかわされ、一気に順位が入れ替わった。
そんな2番手争いを後目に大きなマージンを稼ぎ、最後まできっちりと走りきったロペスは、そのままポール・トゥ・ウイン! ファン-マヌエル・ファンジオ以来となる四輪世界選手権でのワールドチャンピオン獲得を勝利で決め、パルクフェルメにマシンを止めるとアルゼンチン国旗を掲げダイブ! プレッシャーから解放され満面の笑みをみせた。
2位はチルトン、3位はローブという結果に。ホンダ・シビックWTCC勢の最上位は4位のミケリスという結果となったが、バトルの際のコースアウトにより結果は審議となっている。