WTCC世界ツーリングカー選手権は25日、鈴鹿サーキットで予選が行われたが、予選でトップ3を占めたシトロエン・レーシングのドライバーたちが、予選を振り返った。
2013年に入念な準備を行い、今季からWTCCに参戦したシトロエン。イバン・ミューラー、セバスチャン・ローブ、そしてホセ-マリア・ロペスという強力なラインナップを揃え、今季はすでにマニュファクチャラータイトルを決めるなど圧倒的な強さをみせてきた。
ライバルであるホンダのホームコースである鈴鹿では、再びシトロエンC-エリーゼWTCCがそのポテンシャルをみせつける結果となった。フリープラクティスから上位を占め続けた3人は、5台が進出するQ3にしっかりと駒を進めると、ローブ、ロペス、そしてミューラーとアタックへ。最終的にQ3ではロペスがミューラーを逆転し、自身初となるワールドチャンピオンに向け、また一歩接近することになった。
「シトロエンが再び予選上位を占めることができてファンタスティックだね。僕たちのシトロエンC-エリーゼWTCCがどれほどコンペティティブかみせることできたと思う」と予選後に語ったロペス。
「Q1からQ2にかけて少し向上させることができたけど、スパでもそうだったようにチームメイトたちがよりハードにプッシュしてきたから、Q3に向けてはセットを変えてきたんだ。第1セクターで少しミスをしてしまったんだけど、コーナーを経るにつれて自信を深めることができたから、セクター3では差をつけることができた」
レース前、タイトルについて非常にナーバスなコメントを残していたロペス。実際、その表情は緊張し、予選後の記者会見でもそこまで表情を崩すことはなかった。
「これで僕はタイトルにまた一歩近づくことができたんだけど、僕はできる限り今までと同様に週末を過ごすつもりだよ。特に、天候がどうなるかは分からないし、まだ不確実な要素はいっぱいあるからね」
一方、午前のフリープラクティスから好調を維持していたミューラーだが、Q3でロペスに逆転ポールを許してしまう結果となった。ただ、「2番手でハッピーだ。金曜のフリープラクティスではクルマに心配があったけど、チームがハードワークしてくれたおかげで好みのセットにすることができたからね」とミューラーの表情は明るい。
「Q3ではターン15でよりハードに攻めてみたんだけど、それはうまくいかず、タイムはQ2とほとんど変わらなかった」とミューラー。
「レースはとてもコンペティティブなものになるだろう。僕たち3人は同じクルマをもっているし、いつも一緒に働き、お互いのセットアップを知っているんだ。シトロエンが予選同様にクリーンスイープを決めるように願っているよ。ただし、今日と同じオーダーではないけどね!」
また、3番手となったローブは、初めての鈴鹿ながらライバルたちと遜色ない走りを披露。9度のWRC王者のパフォーマンスを日本のファンにも見せつける結果となったが、3番手という結果にはやや納得がいっていないようだ。
「Q3にはギリギリで進出することができたね。Q2ではティアゴ・モンテイロのスリップを使おうと思ったんだけど、メディ・ベナーニがミスをしてしまったために、彼を避けようとしてコースアウトし、タイヤを壊してしまったんだ。だから、ピットに戻ってタイヤを替えなければならなかった」とローブ。
「Q3のラップは良かったよ。ただ、最後のシケインのブレーキングで遅らせすぎてしまった。予選ではちょっとしたミスが大きな差に繋がる。そこで失ったわずかな差で、ポールポジションを獲ることができなかったね」
鈴鹿というテクニカルなコースで、まさにその実力をみせつける結果となったシトロエン勢。明日の決勝は、ミューラーの希望どおりの展開になるのだろうか……?