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多くのF1ドライバーを輩出、伝統の英国F3選手権が廃止の危機

2014年10月24日 22:10  AUTOSPORT web

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かつてはF1の登竜門とも言われたイギリスF3選手権
これまで数多くのF1ドライバーを輩出してきたイギリスF3選手権が、シリーズ存続の危機に直面している。

 FOTA(イギリスF3チーム協会)の代表を務めるピーター・ブリッグスは、同シリーズの存続に向けたプランがすべて行き詰まり、1979年(現行シリーズとして)から続く伝統のシリーズは、来年開催されないだろうと語った。

 最新の救済プランは、ドイツF3カップと合併することだったが、これはドイツ・シリーズに参戦する小規模チームの反対にあって頓挫。2012年仕様のマシンを主流とするイギリス・シリーズに対し、2008~2011年仕様を走らせるドイツの小規模チームが懸念を示して反対したため、ドイツ側が合併を拒んだものと理解されている。

 ブリッグスは、次のように語っている。
「イギリスF3のプロモーターであるSROおよびチームは、両方のナショナル・シリーズを将来にわたってうまく継続させようと、あらゆる努力を行ってきたが、ドイツ側の反対によってこれが不可能になった」
「FIAはライセンスのレギュレーションにおいても我々を支援し始めていたが、ドイツチームの協力なしではこれは機能しない。非常に残念なことだ」

 また、イギリスF3で近年頭角を表したカーリンのトレバー・カーリンは、「どんなオプションがあるのか? イギリス選手権が短期的に中止されても、何らかの形で復活させることを望むだろう。だが今は、人々にそうした願望がないんだ。ヨーロッパのプラットホームは取って代わられたからね」とコメントしている。

 ブリッグスは、将来の選手権復活には、非常に困難があり、楽観的ではない。ただ、カーリンは来季からイギリスでもスタート予定のFIA F4に望みがあると語っている。

 2014年のイギリスF3は、唯一の海外戦となったスパ・フランコルシャンを除くほとんどのラウンドで5~7台が決勝を争うような状態で行われ、チャンピオンには中国人ドライバーのマーティン・カオが輝いた。

 同シリーズからは、ジャッキー・スチュワート(1964)、エマーソン・フィッティパルディ(1969)、ネルソン・ピケ(1978)、アイルトン・セナ(1983)、ミカ・ハッキネン(1990)という5人のドライバーがF1チャンピオンを獲得。ほかにも、ジム・クラーク(1960)、デレック・ワーウィック(1978)、ジョニー・ハーバート(1987)、ルーベンス・バリチェロ(1991)、そして2001年には佐藤琢磨もチャンピオンを獲得し翌年からF1にデビューしている。