『ジョルジョ・デ・キリコ -変遷と回帰』展が、10月25日から東京・パナソニック 汐留ミュージアムで開催される。
イタリア人の両親のもと、1888年にギリシャで生まれたジョルジョ・デ・キリコ。ミュンヘンで青年期を過ごした後、1911年にパリに渡って作品の制作を続けた。人気のない広場にマネキンや玩具が配置された神秘的な空間と事物で構成されるデ・キリコの作品は「形而上絵画」と称され、後のシュルレアリストたちに大きな影響を与えたほか、第一次世界大戦以後には作風を変えて、伝統的な技法と題材による作品を制作したことでも知られている。
同展は、フランス・パリ市立近代美術館に寄贈されたデ・キリコの妻・イザベッラの旧蔵品を中心に、70年にわたるデ・キリコの画業を振り返る回顧展。1910年代の「形而上絵画」の時代から、古典主義に回帰した時期、再び初期の「形而上絵画」に取り組んだ1960年代、水浴場や太陽などのモチーフを描いた晩年までの約100点が展示される。なお、1920年代の自画像や晩年に時事的主題を扱った『黒い宝』をはじめ、約8割の展示作品が日本初公開となる。
関連イベントとして、10月25日には東京・恵比寿の日仏会館で、同展の監修者でパリ市立近代美術館・学芸部長のジャクリーヌ・マンクによる講演会を開催。また、11月14日には山田五郎がデ・キリコ作品の魅力について語るトークイベントが東京・パナソニック東京汐留ビル5階ホールで行われる。