今季、DTMドイツツーリングカー選手権第8戦ラウジッツリンクでDTM史上最年少優勝を飾り、F1のメルセデスAMGペトロナスのリザーブドライバーの座を得たパスカル・ウェーレインについて、メルセデスのモータースポーツ代表を務めるトト・ウォルフは、来季もDTMで走ることを示唆しつつも、GP2参戦の可能性があることも明かした。
1994年生まれのウェーレインは、F3を経て2013年からDTMに参戦。今季は中盤戦から調子を上げ、DTMメルセデスAMG Cクーペを駆りラウジッツリンクで自身初勝利。DTMでの最年少優勝を飾った。また、9月からはF1メルセデスのリザーブという役割も担っている。
そんなウェーレインはポルティマオでF1カーをドライブしたが、この時の状況についてウォルフは、ウェーレインがF1での未来があることを証明したと語っている。
「彼は信じられないほど成長している。我々は彼をアップダウンがあるテクニカルなポルティマオでF1に乗せたが、今までずっとF1をドライブしてきたベテランのようだったよ。まったく疲労もみせずに3回のロングランをしたんだ」とウォルフ。
「私は3~4回ほどコーナーで彼の走りを見たんだ。でも、彼は毎回計ったように同じところでブレーキを踏み、まったくコントロールを失わなかった。とても印象的だったよ。その後、彼はラウジッツリンクに戻りとんでもないパフォーマンスをみせてくれた。ウェーレインには将来に向けた確実な資質がある」
F1チームにおけるウェーレインの役割に関連し、来季ウェーレインはDTMには参戦せず、GP2に参戦するのではないかという噂が囁かれているが、ウォルフはF1リザーブドライバーの役割を務めながらGP2に参戦するのは“オプション”であるとし、DTMとF1を複合したプログラムが好ましい進路だと語った。
「彼の来季について話すのはまだ早すぎる。まず第一に、我々は彼をDTMから失いたくはないんだ。第二に、F1では適したマシンでマイレージを稼ぐことができない」
「GP2は可能性のひとつでもある。ただ、GP2では正しいチームを見つけなければならない。可能性があるのは2~3チームだろう。それにドライバーの多くが4~5年参戦していて、いいドライバーでさえ多くの時間を要する。私はバルテリ・ボッタスがそうしたように、GP2はスキップする方がいいと思う」
「将来の準備のために、シングルシーターではなくDTMに参戦しながら、並行してF1のマイレージを積んだ方がいいだろう。リザーブ、もしくはテストドライバーとして、もしくはもっと小規模なチームの金曜フリー走行の役割とかね」