マクラーレンのグループCEOであるロン・デニスが、今のF1エンジンレギュレーションではカスタマーチームがタイトルを獲得するのは不可能であると語った。
長年メルセデスエンジンを使用してきたマクラーレンだが、来年はホンダにスイッチすることが決まっている。2014年に導入されたパワーユニットシステムに関してワークスチームの持つアドバンテージは非常に大きいと、デニスは以前から主張している。
エンジンサプライヤーを務めてきたメルセデスは2010年からワークスチームとしてF1に参戦している。メルセデスは今年ついにコンストラクターズタイトルを獲得、ドライバー選手権も同チームのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグのいずれかが獲得する見込みだ。
メルセデスのカスタマーチームとなったマクラーレンは、昨年はランキング5位、今年も第16戦終了時点で5位と、現在低迷している。
「今年の予選を見ると、メルセデス・ベンツのワークスチームと他チームとのタイム差が目につく」とデニス。
「全般的に見て常に1秒以上の差がついている。私を含め我々チームの大部分の意見では、エンジンマニュファクチャラーがどこであれ、そこが作るベストのエンジンを使えない限り、世界タイトルを獲得できるチャンスはない」
「現在のグランプリエンジンは純粋にパワーが優れていればいいわけではない。エネルギーをいかに採取し貯蔵するかが重要なのだ」
「実際、そのプロセスをコントロールできなければ、つまりソースコードにアクセスできなければ、例えばコーナー入り口でマシンを安定させることができず、ラップタイムを大量に失う」
「同じブランドのエンジンを使用していても、エンジンを最適化する能力は同じではないのだ」
ホンダにスイッチする理由は、ワークスエンジンが必須であると確信したからであるとデニスは言い、今後ホンダが他チームにエンジンを供給するようになったとしても、マクラーレンが最優先されると示唆した。
「まず(契約しているエンジンマニュファクチャラーが作る)最も優れたエンジンを使える環境でなければならない」とデニス。
「今後何年にもわたりそういう状況を整えた。数カ月ではなくてね」
「メルセデスとは素晴らしいパートナー関係にあったが、我々は新たにホンダと組んで活動していく。それが最初のステップだ」