初のD1シリーズチャンピオンに輝いた高橋邦明 D1グランプリシリーズは18日、東京・お台場の特設会場でシリーズ最終戦となる第6戦が開催され、末永正雄(Team RE 雨宮 SUNOCO)が総合優勝を飾った。また、この最終戦で高橋邦明(GOODYEAR Racing with kunny'z)が自身初となるシリーズチャンピオンを決めている。
いよいよ今年も最終戦を迎えたD1グランプリ。戦いの舞台はお台場に設けられた特設コース。今年は、2コーナーから先で大きく回りこんで再び2コーナーへ戻り、1コーナーに向けて逆走するというレイアウトのなかでバトルが展開された。『TOKYO DRIFT in ODAIBA』と名付けられた今回のイベントでは、18日にシリーズ戦、そして19日にはエキジビション戦が開催され、延べ1万3992人が集まり盛況を見せた。
17日に行われた単走予選は、各マシンがふたつのグループに分かれて展開。後半のグループで上野高広(TEAM VERTEX with CAR GUY)が100.47点の高得点をマークし、予選を1位で通過した。
18日の単走決勝も、ふたつのグループに分かれる形で展開。川畑真人(Team TOYO TIRES DRIFT TRUST RACING)が100.45点をマークしてグループのトップに立つも、もう一方のグループを走った田中省己(SEIMI STYLE DRIFT with TOYO TIRES)が101.09点の高得点を記録。田中が初の単走優勝を果たした。
一方、シリーズランキング首位で望んだ高橋は、単走で15位以上に入ればその時点で総合シリーズチャンピオン決定という状況だったが、ミスもあり22位に。王座決定は追走に持ち越されることとなった。また、今回の単走で4位に末永正雄が、単走シリーズチャンピオンの座を決めた。
その後行われた追走予選では、高橋が上野高広(TEAM VERTEX with CAR GUY)とのバトルを制し、自らの手で総合シリーズチャンピオンを決める。
続く追走決勝トーナメントでは、末永正雄と川畑が決勝に進出。末永が先行の1本目では、1コーナーで川畑がインを差すも、末永に接触しドリフトが戻ってしまう。川畑先行の2本目では、トランスミッションに不調を抱える末永が1コーナーにドリフトできないまま進入。ただ、末永は1本目で得たアドバンテージをキープして最終戦での総合優勝を果たした。
末永は、「ありがたくこの1勝を受け止めて、来年また見に来てくれる方々にさらにいい走りを見せますのでよろしくお願いします」と、喜びとともに来季への意気込みを語った。
また、自身初となる総合シリーズチャンピオンの座を決めた高橋は「おかげさまでD1にエントリーして苦節14年、今年初めてやっとシリーズチャンピオンがとれました」と喜びを語る。
「チャンピオンが決まって『ホッ』としました。単走が終わったときには、『今年1番の最悪なことが起きるのではないか』と思ってしまった自分がいました。終わって反省してみると、5戦目まではシリーズ争いのことを考えずに、『とりあえず上位行こう』『とりあえず楽しい追走をしよう』ということをテーマにやってきたにもかかわらず、今回はなんだか異様に結果ばっかり気にしてしまったので、それが良くなかったと思います」と最終戦を振り返った高橋。来季に向けてまたは新たな気持ちで臨むのだと語った。
「2015年は『お客さまに満足してもらう走り』をテーマにもう1回、新たな気持ちでチャレンジしていきたいと思います。またみなさんぜひ会場に足を運んで応援してください。1年ありがとうございました」
また、翌日行われたエキジビション戦『D1グランプリワールドチャンピオンズ』には、過去のシリーズチャンピオンやD1ストリートリーガルの優勝者、イタリア、インドネシア、タイ、台湾、ロシアからの5カ国6名も含めた全24名が参加。追走で争われるこのエキジビション戦で、ファーストステージ、セカンドステージを勝ち抜いた8名が、勝者を決する『アルティメイト8』に臨んだ。
トーナメント形式で争われるアルティメイト8の決勝には、昨年のD1シリーズチャンピオン川畑と、今年のストリートリーガルを制した中村直樹(ORIGIN Labo with R・Y・O)が進出。川畑が1本目、2本目ともに強さを見せ、見事優勝を飾っている。