DTMドイツツーリングカー選手権の2014年最終戦、第10戦ホッケンハイムは19日決勝レースが行われ、終盤のセーフティカー明けに逆転したマティアス・エクストローム(アウディRS5 DTM)が優勝。アウディ勢が表彰台を独占した。
例年多くの観衆が訪れシーズン閉幕を祝うDTM最終戦。今年も週末を通じて15万5000人ものファンがホッケンハイムを訪れ、ルイス・ハミルトンやニコ・ロズベルグ、スージー・ウォルフといったF1関係者も多数ホッケンハイムを訪問。さまざまなイベントが開催される中、19日の決勝レースを迎えた。
スタートでは、ポールポジションのミゲル・モリーナ、3番手スタートのエドアルド・モルタラといったアウディ勢が遅れる一方、5番手スタートのジェイミー・グリーン(アウディRS5 DTM)が好スタート。1周目でトップに躍り出ると、パスカル・ウェーレイン(DTMメルセデスAMG Cクーペ)、アウグスト・ファーフス(BMW M4 DTM)が2~3番手に浮上する。
序盤からコース各所でバトルが展開されていく中、グリーンとウェーレインは20周目にピットへ。しかし、ここでウェーレインは今季何度か問題になったアンセーフ・リリースを行ってしまいドライブスルーペナルティを喫し交代。中盤はグリーンと同時にピットストップを行ったティモ・シャイダー(アウディRS5 DTM)が2番手に浮上し、ファーフスが3番手。エクストロームとマイク・ロッケンフェラー(アウディRS5 DTM)がその背後につけた。
終盤に向けオプションタイヤでペースに優り、シャイダーらをかわしグリーンの背後に続いていったのはエクストロームとロッケンフェラー。しかし、37周目に13番手争いを演じていたブルーノ・シュペングラー(BMW M4 DTM)とダニエル・ジュンカデラ(DTMメルセデスAMG Cクーペ)が接触。ジュンカデラ車の回収のためにセーフティカーが導入される。レースは40周目から、3周の超スプリントでリスタートを迎えた。
ここでプライムを履いていたグリーンはリスタートこそ先頭を守るものの、オプションタイヤを履いていたエクストロームにインを突かれ首位から陥落。グリーンはロッケンフェラーにも先行を許したものの、4番手に続いていたポール・ディ・レスタ(DTMメルセデスAMG Cクーペ)からはなんとか表彰台圏内を守り抜いた。
最終戦ホッケンハイム恒例の派手な花火が打ち上がる中、エクストロームが首位でチェッカーを受けザントフールトに続き連勝。ロッケンフェラーが2位、グリーンが3位と、アウディ勢は表彰台を独占するとともにマニュファクチャラータイトルも手中に収めた。4位はディ・レスタ、5位は2014年のチャンピオンで、F1トロロッソのテストの機会を得たマルコ・ウィットマン(BMW M4 DTM)となった。
「こんなに多くの観衆の前で優勝を飾ることができて嬉しいよ。これだけイベント満載だったシーズンで成功を収めることができて良かった。1年を通じて僕たちは多くの好不調があたけど、今日もそんな1日だった。でもこれがDTMだよ」とエクストロームはレース後語った。