WEC世界耐久選手権のCEOを務めるジェラール・ヌーブは、今季LMP1-Hを走らせるトヨタ、アウディ、ポルシェの3ワークスの代表が、LMP2クラスの上位選手に対してテストの機会を提供することを合意したと明らかにした。
ル・マン24時間を頂点とするWECには、最上位カテゴリーであるLMP1を目指すカテゴリーとしてLMP2クラスが存在しているが、今季はエントリーが減少。フルシーズンを戦っているLMP2マシンはわずか4台に留まっていた。今回、LMP1のワークスカーのテストをメーカーが用意することで、LMP2に若手ドライバーが集まるような魅力を向上させようという狙いだ。
LMP1に参戦するマニュファクチャラーは、来季のシーズン最終戦にあたるバーレーンの後、LMP2の上位ランカーが参加するテストを開催することになるという。
「我々は来季、バーレーンのレースの後にテストを行えるようにするためにハードに交渉してきたんだ。その結果、大筋でマニュファクチャラーと合意を得ることができた」とヌーブ。
「このことにより、P2と耐久レース全体に若手ドライバー参戦を希望する助けになるだろう」
一方、マニュファクチャラー側もこの動きを歓迎しているという。トヨタ・レーシングを率いるパスカル・バセロンは、「この試みを歓迎するよ」と語った。
「我々はこれを支持するよ。すでにマイク(コンウェイ。LMP2の経験をもち、今季はトヨタのテスト/リザーブドライバーを務める)で我々は同じことをしているしね」
また、アウディスポーツ代表のヴォルフガング・ウルリッヒも、この活動を支持するという。
「我々はフォルクスワーゲンエンジンを使用するF3ドライバーの最上位の若手に、DTMのテストを提供する試みを行っているが、それと同様に、LMP2ドライバーにとって何がベストなソリューションなのか探っているところだ」とウルリッヒ。
今季、WECではLMP2クラスのエントリー減少を食い止めるために、現行ではジェントルマンドライバーを含まなければならないドライバーラインナップの全プロ化等も提案されたが、これはチームに拒絶されている。