F1ドライバーたちがFIAに対し、ウエットタイヤの向上を再検討することを求めている。今のピレリタイヤの仕様では、ドライバーたちはリスクを冒してインターミディエイトを使う傾向にあるということだ。
セバスチャン・ベッテルはロシアGPでのドライバーズミーティングにおいて、ウエットタイヤのパフォーマンスを議題として取り上げた。
ウエットコンディションの日本GPでジュール・ビアンキがクラッシュ、重傷を負った。この時点でウエットタイヤに交換したドライバーもいるが、ビアンキはインターミディエイトで走行していた。
ウエットよりインターミディエイトのパフォーマンスの方が優れているために、天候が悪化してインターミディエイトには適さないコンディションになっても、ドライバーとしてはウエットに交換したくないのだと、ベッテルは説明した。
「これは日本GPの後に初めて持ち上がった問題でなく、以前から伝えていた問題だ」とベッテル。
「今のエクストリームタイヤのウインドウはとても狭い。インターミディエイトの方が速いんだ」
「路面の水がほぼなくなってくると、すぐさまインターミディエイトを試す。大きなリスクを冒すのは、(インターミディエイトの方が)速いタイヤだからだ」
「この問題について検討する必要がある」
ルイス・ハミルトンは、ウエットタイヤのパフォーマンスを改善することに賛成だと述べている。
「今のウエットタイヤは僕がこれまで使った中でベストとはいえない。それは明らかだ。ブリヂストンはとてもよかった」
「スリックは今後どんどんよくなっていくだろうが、ウエットタイヤの方にはあまり目が向けられていないようだ」
「インターミディエイトで十分安全と言えないような状態でも、インターミディエイトで
走らざるを得ない。そういう状況を避けられるよう、水はけのいい(ウエット)タイヤが欲しい」
ピレリのモータースポーツディレクター、ポール・ヘンベリーは、ウエットタイヤの向上を検討するものの、どのようなコンディションに合わせて向上させるのかをFIAと相談する必要があると述べた。
「今はっきりしているのは、視界の問題により、フルレインタイヤで走る周回数はかなり限定されるということだ」とヘンベリー。
「路面の水が多いとセーフティカーが出動する。路面がインターからフルレインのコンディションに変化すると、数周後にはセーフティカーが出動する。その後は、ドライバーたちはインターで乗り切ろうとする」
「常に向上を目指すのがテクノロジーの性質ではあるが、何を向上させるのかを知る必要がある」
「我々の作業部会においては今までウエットタイヤに関する発言はなかった。今回初めて聞いたことだ」
「しかしこの件についてはFIAと共に検討し、別のアプローチを取ることができるかどうかを調べてみる」