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「さとり世代、童貞」批判にホラン千秋が一撃 「賞味期限切れの腐れ上司」

2014年10月16日 11:40  キャリコネニュース

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2014年10月10日放送のBSジャパンの「ワーキングデッド~働くゾンビたち~」は、思考停止した2種類のサラリーマンゾンビを取り上げた。1つは、若者と向かい合ってコミュニケーションを取らないくせに、「○○世代」などとレッテルを貼ってけなす「さとりdisりデッド」だ。

都内の外食チェーン店の本社で働く宮本さん(24)は、上司の杉村から被害を受けている。合コンを断っただけで「さとり世代、童貞」と言われ、「世代とか関係ありません」と文句を言うと「打たれ弱い」と決めつける。「さとりは興味が何もない。服ダサイ」「これだからさとり世代は」と、何かにつけてけなされてしまうのだ。

バブル世代の消費が忘れられず若者に苦言

「さとり世代」とは現代の若者気質を表した言葉で、「恋愛やファッションなどに興味がない、旅行に行かない、無駄遣いをしない」と言われており、ゆとり世代とも言われる。

上の世代たちは、なぜこの世代を標的にするのか。番組ゲストで「近頃の若者はなぜダメなのか?」(光文社新書)などの著書をもつマーケティングアナリストの原田曜平さんは、こう説明した。

「戦後、若者は日本の成長と共に上昇志向型のエネルギーが強かった。ところが90年代になって経済が停滞期に入ると、若者がおとなしくなってきた。特にバブル時代に消費や恋愛を謳歌できた40代の男性たちには、彼らがどうしても元気なく見える。理解しがたい存在になってしまっている」

「disる」とは、嫌いな相手を批判するという意味のスラングだが、こういった「さとりdisりデッド」に対し、番組はMCのホラン千秋に冷静なアナウンサーの口調で、こう反論させていた。

「時代の流れの読めない、賞味期限切れの腐れ上司」 「誰にでもレッテルを貼ってカテゴライズ。本質を無視した世代論を繰り広げます」

いまの若者に言わせれば、ファッションや旅行に興味がないワケではなく、単にお金がないからできないという人も多いだろうに…。世界的に見たって、カネのない若者が質素な格好をしているのは当然なことで、バブル世代の方が異常だ。こんなデッドにレッテルを貼られるのは、さぞかし煩わしいことだろう。

オトコを見れば「年収」「クルマ」尋ねドン引き

もうひとつの働くゾンビは、会社の中で婚活をし過ぎて周りから煙たがられてしまう「婚活し過ぎデッド」だ。都内の商社で働く酒井健太郎さん(27)が入社1年目のある日、同期と飲み会を企画すると、先輩女性社員の武田(35)が強引に乗り込んできた。

露出の多い服で現れた武田は、趣味の話題などで盛り上がっているところに、「年収」や「車の所有」「家賃」などを強引に聞き出そうとするので、そのたびに場が凍りついてしまう。

社内では身近な男性をターゲットにしているため、仕事がやりづらくなることも。ちょっと仕事の質問をしているだけで、若い女子社員が自分の好きな男性を狙っていると勘違いするデッドは、負けずに自分もアピールする。

あからさまに若い女子社員を邪魔者扱いし、ターゲット男性にお茶やお菓子を出す。入社年数の浅い女子社員が商社マンと寿退社すると、ますます社内にデットが増えてしまう。

こうしたデッドは、理想と現実がかけ離れている場合が多い。番組が用意した「既婚女性が結婚相手に重視したポイントと実現率」をまとめたデータによると、上位の「フィーリング、学歴、性格」などは実現率が高かったが、デットが意識する「職業・職種」「収入」「離婚歴」「資産」は5割以下。条件にこだわりすぎるから、縁遠くなるのは当然だ。

周囲が偏見を捨てれば、デッドは生まれない?

「婚活し過ぎデッド」にどう対処したらいいかを、原田曜平さんはこうコメントした。

「昔、こういう人たちは『お局様』などと言われましたが、そういうレッテルを貼らないこと。人はそもそも自分の人生を好きなタイミングで選択できる時代になったと考え、偏見を捨て(未婚でも)それは普通であると周りが受け入れるべき」

周囲が偏見を持つのをやめれば、デッドたちも生まれないということなのか…。いやいや、ちょっとそれは楽観視すぎるのではないか、という感は否めなかった。(ライター:okei)

あわせてよみたい:「やる気がないなら帰れ」で本当に帰る若者はダメなのか?

 
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