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すき家バイト「ワンオペ体験」告白 「調理方法が分からずヤフー知恵袋で調べた」

2014年10月15日 22:11  弁護士ドットコム

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深夜の一人勤務「ワンオペ」が問題視された牛丼チェーン「すき家」。第三者委員会による労働環境改善の提言を受け、10月から、午前0時~5時のワンオペ解消に踏み切った。


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新しい勤務体制により、労働環境はどう変化したのか。実際にワンオペが解消したのかを調べた「ブラック企業対策プロジェクト」は10月15日、東京都内で記者会見を開いたが、その場には、すき家でアルバイトとして働く大学3年生の男性も出席していた。



記者会見が終わったあと、この男性にインタビューし、「すき家バイト」の実態について聞いた。



●ワンオペ解消後も「9時間休憩なしで働いている」


「僕は、10月まで深夜にワンオペで働いていました。



昔、バイトの先輩がワンオペをしていて強盗に入られたと聞いたことがあったので、ワンオペが廃止されると知ったときは、『そりゃそうだよね。良かった』と安堵しました。



僕が働いている店では、10月からワンオペが解消され、深夜は2人体制になりました」



男性はこう語る。バイトとして働くうえで、不満はあるのだろうか。



「2人勤務にはなりましたが、いまでも夜0時から朝9時まで休憩なしで働かされることがあります。



午前1時30分ごろまではお客さんが多いので特に忙しく、そのあと客足が減っても、仕込みや掃除があるので休めません。結局トイレくらいしか行けなくて、体力的にきついです。



ただ、よその店舗では、夜中に3~4時間、休憩をとる店もあるそうです」



●入店5日目で「ワンオペ」を体験


それでは、ワンオペだった9月までは、どんな様子だったのだろうか。



「僕がすき家でアルバイトを始めたのは、今年6月からです。入店前に研修があるんですが、調理の仕方は、店舗に入ってから先輩に習います。



ただ僕は、先輩からほとんど教わる間もなく、入店5日目からワンオペに入ることになりました。



飲食店で働くのは初めてで、家でも料理は全然しないので、そのときはネットでヤフー知恵袋などを参考に調理しました」



どうやって料理するか、マニュアルはないのだろうか?



「調理マニュアルはあるのですが、そのときは、店のどこにあるのか、わからなかったんです。



他の店では、大学1年生の子が入店2日目にワンオペに入り、マネージャーに電話で聞きながら調理したという話を聞いたことがあります」



●「卒業まですき家で働くつもり」


男性は大学に通いながら、深夜のバイトをこなす生活が「体力的にきつい」という。なぜ、それでもすき家で働くのだろうか?



「日中は学校があるので深夜に働きたいし、コンビニより時給が高いので・・・。



すき家を辞めて一からバイト先を探すのは大変です。週2~3回しか働けないと、コンビニとかでは勤務日数が少なくて落とされるとも聞いています。



他に良いバイト先が見つからなければ、卒業まで、すき家で働くつもりです」



別れ際、「がんばってください」と声を掛けると、男性はにこやかに「ありがとうございます」と返した。大学で勉強に励みつつ、深夜バイトにも真面目に取り組む彼のようなスタッフが、大切に扱われることを祈りたい。


(弁護士ドットコムニュース)