ITベンチャー企業のデータアーティスト(東京・恵比寿)が、新卒採用PR用のプロモーションビデオ(PV)を公開した。同社の山本覚代表がニコニコ動画にPV動画をアップするのは2回目で、今年3月にも高クオリティの「歌ってみた」動画で話題となっていた。
「会社PVをまた作ってしまった。新卒採用PV:データアーティスト(株)」という名前で10月9日にアップされた動画は、その日のうちにニコニコのインディーズチャートで1位を記録。14日現在までに1万5000回再生されている。
ニコニコで高評価「企業動画だけどガチ」
作詞・作曲・歌は、今回も山本代表が担当。曲名は「めらんこりんこ」。ギターのフィードバック音から始まるミドルテンポのオルタナティヴ・ロック風のバラードだ。山本代表が、「妥協した日々でも血肉になって/そう/悔いはない/悔いはない」と渇いた歌声で歌う。
動画では、山本代表と来春入社予定の内定者が総出演。リクルートスーツを来た内定者がベースやドラムを演奏している動きは一応それっぽいが、実は当て振りの「エア」プレイだ。演奏部分はプロミュージシャンが制作した。
パソコンのキーボードを鍵盤に見立てて弾いている人や、途中でブレイクダンスを披露する内定者もいて、かなり楽しそうだ。今回もニコニコ動画で「まさかの2作目w」などコメントが殺到、
「歌い手よりレベルが高いな」「なんだこのクオリティ」
「CDデビューしてもいいのでは?」「このギターすき」
と好意的な書き込みが多い。「企業動画というとネタに走るのが多いがここのはガチなんだよな」と評価するものもある。
山本代表によると、予算ゼロでやった前回と違い、今回は会社が「内定式準備費用」として3万7000円を確保した。10月初旬に都内のバーを会場に借りて内定式を行ったあと、その場に機材を持ち込んで撮影したという。
「新卒採用のPRをかねて内定者との思い出作りをできればと思いました。PV制作を通じて内定者とも結束感が出たと思います」
「東京事変を意識しているが、バンプにも似てるかも」
山本代表は慶應大学在学中に、多数のプロミュージシャンを輩出している同大の「クロスオーバー研究会」に所属。今回も前回同様、サークル時代の友人であるプロミュージシャンに編曲とレコーディングを依頼した。「バンプ・オブ・チキンっぽい」という指摘もあったが、
「どちらかというと、今回は東京事変を意識しています。ただ、バンプは相当好きなので、歌い方とかが似ちゃっている部分はあると思います」
歌詞に出てくる「君が信じてる僕を信じ」というフレーズは、ロボットアニメ「天元突破グレンラガン」の名台詞「俺が信じるお前を信じろ」にインスパイアされたとか。「グレンラガン」同様、「少年の成長」をテーマにしており、内定者や就活生へのメッセージ・ソングでもあるということだ。
ニコニコでは「結局何の会社か分からない」と、動画の宣伝効果を疑問視する声もあるが、山本代表によれば、すでに早慶や関関同立などの有名大学の学生が動画を見てエントリーをしてきているという。
「弊社はウェブマーケティングの会社ですので、ニコニコ広告を使い『最小限の費用でいかにして最大限の効果を得るか』、といったことも考えています。ネットを使ったクリエイティブなことに興味がある学生が、応募してきてくれれば嬉しいです」
同社は、新卒採用ページも個性的だ。2016年の新卒採用のテーマは「宇宙とドリル」。ドリルの「一回転するたび少し前に」進むところに価値を見出しているようだ。トップページでは「グレンラガン」に登場するロボと同じように、山本代表が宇宙で巨大なドリルを回転させていて、シュールな雰囲気に仕上がっている。
【ニコニコ動画】会社PVをまた作ってしまった。新卒採用PV:データアーティスト(株)
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