WEC世界耐久選手権第5戦で、ポルシェは20号車919ハイブリッドが3位表彰台を獲得した。ドライバーを務めるマーク・ウエーバーによると、序盤のスローパンクチャーで優勝のチャンスが遠のいてしまったのだという。
11日の予選では、僅差でポールポジションを逃した20号車。迎えた決勝レースでは、激しい展開となったオープニングラップを終え、2番手で1周目を終えた。その後、しばらくは首位の8号車トヨタを背後から追った20号車だったが、序盤10周でスローパンクチャーによりピットへ。ただその後は、1セットのタイヤでダブルスティントを走行する作戦を採り、3位表彰台を獲得した。
スタートドライバーのウエーバーは、「良いスタートでトヨタにプレッシャーをかけることができた」と、接近戦となったオープニングラップを振り返る。
「ただ、左リヤタイヤがパンクし、優勝のチャンスが遠のいたんだ」とウエーバー。「交換したタイヤでダブルスティントを走行したのだけど、このピットストップでタイムを失ってしまった」
「パンクは残念だったけど、ティモ(ベルンハルト)とブレンドン(ハートレー)の素晴らしいドライビングのおかげで3位を獲得することができたよ」とチームメイトに感謝の念を示した。
チームメイトのハートレーは「レースを楽しんだよ」、「クルマも素晴らしく、ここでは大きく2歩前進したと言っていいと思う」、初勝利への期待も語った一方、ベルンハルトによると、ピットのタイミングがライバル陣営とずれたことで、難しい部分もあったのだという。
「早い段階でタイヤ交換を行ってライバルたちと争うことがなかったから、レース中のリズムを失ったのも事実だ」とベルンハルト。タイヤを管理しダブルスティントをトラブルなくこなしたベルンハルトだったが、単独で走る難しさもあったようだ。
今季からWECのLMP1クラスに参戦しているポルシェ。開幕戦から表彰台に乗るなど速さを見せる一方で、ここまでは未勝利となっている。ポルシェAG研究開発部門の取締役、ヴォルフガング・ハッツは「このレースで見せたように、今後も進歩し続ける」と、今後に向けての意気込みを見せた。