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GP2ソチ レース2:佐藤が今季初入賞。伊沢22位

2014年10月13日 03:10  AUTOSPORT web

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GP2ソチラウンド、レース2で今季初入賞を果たした佐藤公哉。亡くなった祖父を想い、喪章を巻いての参戦だった
F1ロシアGP決勝前、ソチ・オートドロームではGP2ソチラウンド・レース2が行われ、佐藤公哉が7位に入り今季初入賞を果たした。伊沢拓也は22位。

 12時5分にスタートを切られる予定だったGP2ソチラウンド・レース2。しかし、直前に行われたGP3のレースで赤旗中断があったことで、予定より25分遅れた12時半にスタートが切られた。

 ポールポジションからのスタートは、レース1でのジュリアン・リール(カーリン)の降格により8位に入賞していたマルコ・ソレンセン(MP)。セルジオ・カナマサス(トライデント)が2番グリッドからのスタートだ。レース1に勝ち、今季のチャンピオンを決めたジョリオン・パーマー(DAMS)は8番手、佐藤公哉(カンポス)は13番手、伊沢拓也(ART)は20番手からレースをスタートさせる。

 スタート直後の2コーナー。レース1と同様、多くのマシンがアウト側にオーバーランし、コース外を走行してしまう。しかし、結局ペナルティを受けたのはリールのみ。他のマシンは“特にアドバンテージを得てはいない”と判定されたのだろうが、それにしても遺恨の残りそうな判定だった。

 この混乱の中、パーマーとラファエル・マルチェッロ(レーシング・エンジニアリング)が接触。パーマーはスピンを喫し、最後尾付近まで落ちてしまう。佐藤は13番手をキープ、伊沢は22番手へと後退してしまう。伊沢は、2コーナーのアクシデントで後退してきたパーマーと、終始バトルをする関係でレースが進行していく。しかし9周目のターン13、伊沢はパーマーに順位を明け渡してしまう。

 佐藤は集団の中でレースを進めていくが、リールのペナルティ消化、ジョン・ランカスター(ヒルマー)の後退、マルチェッロのスピン、カナマサスのリタイアなどで順位を上げ、15周目の時点で10番手。今季初入賞が目前に迫ってきた。

 17周目、佐藤はアルテム・マルケロフ(ロシアン・タイム)を交わして9番手に浮上する。11番手を走っていたマルチェッロも、佐藤に続いてマルケロフを抜きにかかるが、両者は接触。マルチェッロはタイヤのスローパンクチャーを起こし、ターン7で激しくクラッシュしてしまう。このマシンを回収するため、セーフティカーが出動。隊列は一気に詰まる。

 このタイミングで、19番手を走っていた伊沢がピットインし、新タイヤに交換する。

 20周目からレースが再開。セーフティカー中にタイヤを冷やしてしまったドライバーは、苦労して走行する素振りを見せる。佐藤の前を走っていたナタナエル・ベルトン(ラザルス)とピエール・ガズリー(ケータハム)は特にその状況が顕著で、佐藤はターン16でベルトンを、ターン18でガズリーを交わして7番手。そのまま残り1周を走りきり、待望の今季初入賞を果たした。

 佐藤はレース後、「ポイントと獲れたのは嬉しいけど、危ないレースでした。危険な運転をするドライバーが多いので、みんなもっとちゃんと考えた方がいい。クルマは週末を通してとても良かったんです。たまには、こういう運の良いレースがあってもいいですよね? ここで良かったので、次のアブダビのレースも悪くないと思います」と、今回のレースについて振り返った。

 伊沢はタイヤを交換したものの、前方のマシンに詰まってしまい、そのまま21位でフィニッシュ。ただし、ピットストップの際にピットレーンの速度違反があり、20秒加算のペナルティ。22位で順位が確定している。

「ピットインは、特にファステストラップを狙いにいったというのではないです。あの位置にいてもしょうがないので、換えてみようと思っただけで。今回みたいな後方のポジションでは、何もできないですよ」と、レース後の伊沢は、言葉少なだった。

 優勝はポールポジションからスタートしたソレンセン。今季途中からの参戦にも関わらず、GP2での初優勝を果たした。

 次のGP2のレースは約1カ月後。F1との併催で行われるアブダビラウンドだ。
(F1速報)