F1関係者が鈴鹿からソチへ移動していた10月8日、スペインのスポーツ紙『Mundo Deportivo』は「ニキ・ラウダが『フェルナンド・アロンソはマクラーレンと契約した』と語った」という記事を掲載した。しかし、スペイン人記者によると、Mundo Deportivoの記者は鈴鹿に来ておらず、ソチにも来ていないという。したがって、記事は彼らが直接ラウダを取材したものではなく、ラウダが発言した別の記事を見て『Mundo Deportivo』の記者が書いたのではないかと、そのスペイン人記者は推測。「ラウダは、そのようなことを実際に語ってはいないだろう」と結論づけた。
ただし、その記事の内容自体は否定しなかった。つまり「アロンソはマクラーレンではなく、ホンダとの契約にサインした」と言うのだ。そのスペイン人記者によれば、アロンソの本命はメルセデスだった。そこに2016年までフェラーリと契約があるアロンソに対し、フェラーリのマルコ・マティアッチ代表が2018年まで2年間の延長を申し出た。アロンソはそれを固辞し、2015年限りでチームを出たいと申し入れると、マティアッチは「それなら今年いっぱいで出て行け」と話し合いが決裂。そのためマティアッチは急きょベッテルに接近し、獲得に乗り出したのだという。
そのため、アロンソはホンダと接触。ただし本命はメルセデスであるため、1年+1年オプションの契約。もしホンダのパフォーマンスが期待通りではなかった場合、2015年限りと言われているルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグのコンビが解消されたあとのメルセデスへの移籍を狙うというのだ。
ちなみに、かつてアロンソを獲得したルカ・モンテゼモーロが正式にフェラーリを離れるのは、フィアットがクライスラーと正式に統合し、ニューヨークの証券取引所に株式を上場する10月12日だと言われている。つまり今回のロシアGPはモンテゼモーロにとって最後のF1。それについて質問されたアロンソは「彼の成功を祈っている」と語った。
(尾張正博)