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F1への“クローズドコクピット・コンセプト”導入案が再燃か

2014年10月08日 12:50  AUTOSPORT web

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FIAによるフロント・ロールフープテスト
日本GPでのジュール・ビアンキのアクシデントを受け、ウイリアムズのヘッド・オブ・ビークルパフォーマンス、ロブ・スメドレーが、安全性向上のため、F1にクローズドコクピットコンセプトを導入するという議論を再開してもいいのではないかとの意見を述べた。

 雨の日本GP決勝終盤、ターン7でエイドリアン・スーティルがスピンしバリアにクラッシュ、その翌周にビアンキは同じ場所でコースアウトし、スーティルのザウバーを撤去するために出動していたクレーン車に激しくヒットした。

 ビアンキは現在病院で集中治療を受けており、びまん性軸索損傷を負い深刻だが安定した状態であると発表されている。

 2009年ハンガリーGPでのフェリペ・マッサの重傷、2012年ベルギーGPでフェルナンド・アロンソが危うく難を逃れたアクシデントなどを受け、F1においてコクピットを覆うキャノピーを導入するなどの案が検討されてきた。

 ビアンキの事故の後、スメドレーは、F1にクローズドコクピットコンセプトを導入することは難しいことではないと述べた。

「技術面から見て実行するのは非常にたやすい」とスメドレー。
「これまで何度となくテクニカルワーキンググループで検討し、事態は前進と後退を繰り返してきた」

「(ただ)ジュールのような事故で効果があるかどうかは分からない。あの手のアクシデントで各マシンがどれぐらいの強さを見せるのかは不明だ」


 クローズドコクピットはF1の基本的性質と相反するとの議論が再燃することになるかもしれないが、スメドレーはそれについては問題を感じていないと述べた。

「F1マシンの見た目が変わるので、それについては議論がなされるだろう。今のF1はオープンホイールであり、オープンコクピットだからだ」

「それがフォーミュラを変えることになるか? F1がスタートした1950年当時のマシンと2014年のマシンを比べるとまるで別物だ」

「美的感覚の面で議論が起こるかどうかだが、私にとってはその点は問題ないし、他の人々も同じだろう」


 FIAは以前からクローズドコクピットに関するテストを行ってきた結果、昨年ドライバーの前方にロールフープを設けるという案にたどり着いた。

 コクピット周りの大幅な変更には多額な費用がかかるため、FIAは昨年10月のF1ストラテジーグループ会合においてチームの意見を聞いたところ、参加者全員がロールストラクチャーは安全性を高めるものの見た目がF1にふさわしくないと述べたということだ。

 レッドブル・レーシング代表のクリスチャン・ホーナーは「ぞっとするほどひどい」、当時のマクラーレン代表マーティン・ウィットマーシュは「ぞっとするほど醜い」と述べていた。

 この際チーム側は、F1はオープンコクピットのレースであり、フロント・ロールフープのソリューションをF1に採用したくはないとの意見で一致、このプロジェクトは中止するべきであるという結論となった。