10月5日に行われた日本GP決勝レース中、事故に遭ったジュール・ビアンキ。心配される容態については、日曜の夜8時過ぎにFIAが発表を行って以来、今のところまだない。
日曜の夜には続報を待つメディアで、プレスルームに夜遅くまで記者が待機していたが、FIAのスポークスマンから「今後の発表はFIAからではなく、ビアンキが搬送された三重県の総合病院からの情報をマルシャが確認した後、マルシャが行うことになる」というアナウンスがあると、台風接近という状況もあってか、みな慌ただしく鈴鹿サーキットをあとにしていった。
それでもFIAのスポークスマンは夜11時すぎまでメディアセンターに残り、報道陣への対応を行っていた。救急ヘリを使わずに救急車で病院に搬送された理由については「上空の視界が悪く、ドクターヘリが病院に着陸できない可能性があったから」と答えている。
また、メディアの一部が「台風が接近し、雨脚が午後3時から強くなることがわかっていたにも関わらず、なぜFIAはレーススタート時間を繰り上げなかったのか?」「スーティルがクラッシュした段階でセーフティカーを出すべきだったのではないか?」とFIAのスポークスマンに詰め寄る場面もあったが、FIAスポークスマンは「現時点で我々がお話できることは、ビアンキの容態についての第一報だけ。それ以外については今後記者会見などを利用して説明していきたい」と冷静に対応。「今回の鈴鹿サーキットの対応は非常に素晴らしかった」ことも付け加えていた。
夜遅くまでサーキットに残っていたのはFIAのスポークスマンだけではない。マルシャの広報も夜11時すぎまでサーキットに待機していた。しかし、彼らから続報が伝えられることはなく、サーキットから出る前にメディアセンターへ立ち寄ると、まだ残っていたメディアが代わる代わるマルシャの広報を抱きしめて勇気づけていたシーンが印象的だった。
「みなさん、本当にありがとう。私たちは四日市でジュールの家族が来るのを待ちます。何かあったら、すぐにお知らせしますので、もうしばらくお待ちください」とマルシャ広報はコメントしている。
(尾張正博)