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たかの友梨社長「コンプライアンスの意識が未熟だった」従業員への「謝罪文」(全文)

2014年10月06日 15:11  弁護士ドットコム

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エステサロン「たかの友梨ビューティクリニック」を運営する不二ビューティは10月4日、労働問題をめぐる「圧迫発言」について、高野友梨社長が「従業員に向けて謝罪した」と発表した。しかし、問題の女性従業員が加入する労働組合「エステ・ユニオン」は、「謝罪の場にその従業員はいなかった」として、同社を批判している。


【関連記事:たかの友梨「謝罪文はファクスと郵送で送った」 労組の「当事者不在」批判に反論】



それに対して、不二ビューティは6日、「エステ・ユニオンの事務所に謝罪文をファクスと郵便で送った」と説明するプレスリリースを発表。同時に、高野社長が4日に仙台店で読み上げたという「謝罪文」の全文をウェブサイトで公開した。



そのなかで、高野社長は、残業代未払い問題を労基署に告発した女性従業員に「圧迫発言」をしたことについて、「私の、労働コンプライアンスに対する知識や意識が未熟だったからであると深く反省しております」と説明。「●●さんはじめ、仙台店の従業員の皆さん、ひいては全国の従業員の皆さんに多大なご心配とご心労をお掛けしてしまったこと、そして、組合活動に圧力をかけていると受け取られるような言動をしてしまったことについて、ここに、深くお詫び申し上げます」と謝罪の言葉を述べている。



また、「私はこれまで、日本のエステ業界の草分けとして、37年間、この業界で頑張ってきました。その中で、エステは、女性が自立できて、技術と誇りを持って働くことができる仕事だと確信しています。ただその一方で、旧来からの会社のオペレーションが、労働基準法をはじめとする法令の想定する働き方とはズレがあり、また、今の社会の働き方にそぐわなくなってきていることに気付くのが遅れ、今回の事態となってしまったのだと思っています」と、今回の問題について振り返っている。



そのうえで、「今後は、法令を遵守していくことはもちろんのこと、それ以外のことでも、従業員のみなさんの声を広く吸収し、真摯に受けとめながら、全力で問題を解決、改善していきたいと思っています」と、決意の言葉を記している。



不二ビューティが10月6日に公表した「従業員への謝罪文」は以下の通り。



●仙台店の従業員・組合員の皆様へ 


従業員の皆さん、本日はわざわざお集まりいただき、ありがとうございます。



このたびは、8月5日に仙台労働基準監督署から是正勧告と指導を受けた件や、8月21日に開催した食事会の席での私の発言、あるいはその前に私が全国の店長にメール送信した文書の件で、世間を大変騒がせてしまい、仙台店だけでなく、全国の従業員の皆さんを非常に心配させ、ご迷惑をお掛けする結果となり、大変申し訳なく思っています。



私の食事会での発言については、録音の一部がマスコミ等に流出しており、私が労働基準法違反を容認しているであるとか、組合活動に圧力をかけた、などと報道されています。これはひとえに、私の、労働コンプライアンスに対する知識や意識が未熟だったからであると深く反省しております。



私としては、仙台店において諸々の状況から不安になっている従業員の方々がいらっしゃると伝え聞き、このような状況をできるだけ早く解決したい、という一心で急遽思い付いて行ったことであり、決して労働基準法違反を容認している、ないしは、組合活動に圧力をかけるというような気持ちはありませんでした。しかし、会社の経営者である以上、真意がどうであろうと、自分の言葉は非常に重い意味を持つものであり、このように不適切な発言をし、また、一部不適切な内容を含む文書を送付してしまったことについては、きちんとそのことを認めて、組合員の皆さんに謝らなければならないと思っています。



これらのことで、●●さんはじめ、仙台店の従業員の皆さん、ひいては全国の従業員の皆さんに多大なご心配とご心労をお掛けしてしまったこと、そして、組合活動に圧力をかけていると受け取られるような言動をしてしまったことについて、ここに、深くお詫び申し上げます。



真摯に反省し、今後は、労働コンプライアンスの問題に正面から取り組み、二度とこのような言動をとらないことをここにお約束いたします。



私はこれまで、日本のエステ業界の草分けとして、37年間、この業界で頑張ってきました。その中で、エステは、女性が自立できて、技術と誇りを持って働くことができる仕事だと確信しています。ただその一方で、旧来からの会社のオペレーションが、労働基準法をはじめとする法令の想定する働き方とはズレがあり、また、今の社会の働き方にそぐわなくなってきていることに気付くのが遅れ、今回の事態となってしまったのだと思っています。



私としては、たかの友梨ビューティクリニックを従業員の皆さんにとって本当に働きやすい職場にしたい、と思っており、その思いは昔も今も変わりありません。



既に一部お知らせしているとおり、今回の件をきっかけに、会社は、弁護士や社会保険労務士など、外部の専門家の協力と指導を得て、抜本的に働き方を見直し、労務環境を改善する活動に真剣に取り組んでいます。今後は、法令を遵守していくことはもちろんのこと、それ以外のことでも、従業員のみなさんの声を広く吸収し、真摯に受けとめながら、全力で問題を解決、改善していきたいと思っています。



今後労務環境の問題に限らず、会社の中で何か問題や気になることがあれば、別途ご連絡している相談窓口などを通じて、遠慮なく知らせてください。もちろん、そういう問題を指摘した人のことを、そのことで不利益に取り扱ったりすることは絶対にありません。


皆さん、たかの友梨ビューティクリニックを本当に働きやすい職場とし、エステ業界における真のリーディングカンパニーとしてより一層成長させるため、皆さんの協力をよろしくお願いいたします。



2014年10月4日



株式会社不二ビューティ



代表取締役 高野 友梨


(弁護士ドットコムニュース)