10月6日朝、今年最大級の勢力を維持した台風18号が、日本各地で猛威をふるっている。首都圏の各線は軒並み運休や本数減が相次いでおり、未明から大雨洪水警報や避難勧告も出されている。
ここまで強い勢力になると、さすがに会社の指示で在宅勤務やみなし出勤が許されている人も多い。しかし、こうした暴風雨の中でも、休まず出勤せざるを得ない人たちがいるようだ。
「うちの職場は私も含め非正規社員のみ安定の定時出勤。東日本大震災のときもそうだった。上の人以外の正社員はほぼ遅刻。給料の多い正社員よりも少ない非正規の方が職場近くに住んでいるという不思議」
ツイッターなどネット上では、派遣社員や契約社員など非正規雇用の人たちからこうした書き込みが多くされている。勤務先や派遣元との関係を気にし、契約更新に響くことを懸念して休むに休めない人たちがいるというのだ。
給料の多い正社員は「ほぼ遅刻」なのに
「明日は掃除当番なので早朝シフト!台風で電車が遅延しても自己責任。遅延証明が認められない非正規の皆さん、頑張って会社に辿り着こう」
「派遣会社から連絡来たから期待して開いたら『台風が来てるから遅刻しないよう各自早めに家を出てね』的な内容で泣いた」
正社員が「自宅待機」でも、非正規だけは出社すべしというのも酷な話だ。交通事情などやむを得ない事情で遅れた場合も「遅延証明書」を認めず、実働でしか支払わない派遣先もある。今回の台風ではないが、派遣元からこんな厳しい指示を受けた人もいたという。
「時間通りに行かなければ、(派遣)登録を抹消する。タクシーを飛ばして現場に行け!」
この人は、交通費支給ナシで時給870円の派遣社員。タクシー代を自腹で支払い赤字になってしまわないか心配だ。また、派遣会社からの指示で頑張って出勤したのにムダ足になりそうだ、という人もいる。
「がんばって台風の中、派遣先来たのに 今日やるんですか!?って先方に言われたんだけど。意味わからんおこ」
「(台風の中)命がけ出勤させて『帰れよ!!』ですとぉぉぉ!完全にモノ扱いは立派な『人権侵害』ですっっっ!」
ムリに出勤している人の仕事には、小売などサービス業が多い。そもそも気象警報や避難勧告が出ていようが、「お客様のために」何が何でも店を開けようという、日本のサービス業の問題もあるのかもしれない。正社員からも、
「サービス業だってね、デパートやら駅ビルの中じゃ、開店しないわけにもいかないわけよ。台風で集客なんてほとんどなくても」
なんていう声もある。やはりここでも、政府が「警報が出たら店を開けないように」などと指示を出さないと、働く人を守ることはできないのだろうか。
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