5日、タイのチャーン・インターナショナル・サーキットで開催されたスーパーGT第7戦について、サーキットは3日間の観客動員について、13万1191人が来場。決勝日は7万5168人が来場したと発表した。GTアソシエイションによれば、スーパーGTの過去最多の数字だという。
チャーン・インターナショナル・サーキットは、タイの地方都市ブリーラムに建設された、タイ初のFIAグレードI取得コース。ほぼ1年という短期間の工事を経て完成し、今回のスーパーGT第7戦がこけら落としのイベントとなった。また、サーキット内には照明施設も完備。今回サポートとして開催されたホンダのワンメイクレースも、ナイトレースで開催されている。
サーキットにはピット上部のグランドスタンド、ターン1、ターン3、そして最終コーナーにスタンドが建設されたが、金曜日のフリー走行開始から多くのファンが訪れ、関心の高さをうかがわせた。また、土曜の予選日からはさらに人も増え、決勝日スタート直前のグランドスタンド、ターン1、最終コーナースタンドは、見た目にスーパーGT関係者も驚くほどの満席ぶりとなった。
また、パドックに隣接したエリアでは、『BRICスポーツモーターショー』と題し、日本メーカーをはじめメルセデスベンツ等のドイツ車、また大会スポンサーにもなっているヤマハやホンダの二輪車等を展示するショーを開催。こちらにも多くのタイのクルマ好きが訪れており、まさに自動車の祭典といったところとなった。
この3日間のイベントについて、チャーン・インターナショナル・サーキットでは、金曜日が1万3426人、土曜日が4万2597人、決勝日は7万5168人が来場したと発表した。実際、パドックエリアをはじめ場内は大盛況。タイ人ドライバーも活躍したレースには多くの歓声が送られ、スーパーGT第7戦タイは成功裏に終わったと言っていいだろう。
チャーン・インターナショナル・サーキットのネウィン・チドチョブオーナーは、この日が誕生日。日本人メディアから、記者会見時に祝福の言葉を贈られると、嬉しそうな笑顔をみせた。
「このサーキットでは、スーパーGTはもちろん、今後世界選手権を開催していきたいと思っている。今回はまだ学ぶことも多かったが、スーパーGT、そして日本の皆さんの協力を得てタイのモータースポーツを発展させていきたい」とネウィンオーナー。
「今後、ワールドスーパーバイク(SBK)の開催に向けては90%ほど話が詰められている。そして、来年以降もスーパーGTを継続して開催していきたい」
ただ、ブリーラムはタイの首都バンコクからはレンタカーを使って5時間半ほど。バンコクからの飛行機は2日に1本ほどしか飛んでいない。道路事情も鑑み多くのチームスタッフが現地で手配したハイエースで移動しており、また宿泊施設も少なく、隣町のスリンのホテルまで移動するドライバーやチームも多かった。今後、スーパーGTだけでなく世界選手権レベルのレースを開催する時、このあたりは多いに課題となる。これについてネウィンオーナーに質問をぶつけてみた。
「ご指摘の部分はあるが、我々には『ブリーラムは不可能を可能にする』という言葉がある。来年にむけて、ブリーラムまでのデイリーのフライトを実現したいと思っているし、ホテルももっと建設されるだろう。それに、グランドスタンド以外のスタンドにも屋根を取り付けるつもりだし、ナイトレース用の照明も増やすつもりだ」と、来季に向けてネウィンオーナーは力強く宣言した。
初レースとなったマーシャルのレベル等、まだまだチャーン・インターナショナル・サーキットには課題もあるが、地域の熱意や盛り上がり、そして日本メーカーにとってのマーケットとしての魅力もこのコースにはある。今後の両者の関係には大いに注目していきたいところだ。