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白熱のスーパーGT第7戦タイはPETRONAS TOM’S RC Fが逆転勝利! 連勝飾る

2014年10月05日 19:10  AUTOSPORT web

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スーパーGT第7戦タイを制したPETRONAS TOM'S RC F
スーパーGT第7戦は5日、タイのチャーン・インターナショナル・サーキットで66周の決勝レースが行われ、中嶋一貴/ジェームス・ロシター組PETRONAS TOM'S RC Fがピット戦略を成功させ逆転勝利。第6戦鈴鹿に次いで連勝を飾った。

 タイでの初開催となったチャーン・インターナショナル・サーキットでのスーパーGT第7戦。心配された雨も降らず、じんわりとした暑さの下で迎えた15時からの決勝レース。グランドスタンドやターン1、最終コーナー等の多くのスタンドを地元ファンが埋め、ケーヒンの現地応援団がグランドスタンド中にこだまする声で歓声を送り、これまでとはまったく違う雰囲気の中でスタートの時を迎えた。

 GT500クラスのスタートでは、本山哲駆るS Road MOLA GT-Rがスタートを決め、ミハエル・クルムのD'station ADVAN GT-R、ロニー・クインタレッリのMOTUL AUTECH GT-Rが続き、GT-Rがトップ3を占めていく。そんな中、GT-R勢に食らいついていったのが、松浦孝亮駆るARTA NSX CONCEPT-GT。序盤、松浦はクインタレッリと激しいバトルを展開し、表彰台圏内に浮上していく。

 一方、GT300クラスをかわすのが難しいと言われているこのコースで、序盤DENSO KOBELCO SARD RC FとEpson NSX CONCEPT-GTがターン3で接触、スピン。また、7番手争いを展開していたKEIHIN NSX CONCEPT-GTとRAYBRIG NSX CONCEPT-GTがターン5で接触するなど混乱も多く生まれていく。一方で、トップのS Roadを駆る本山は順調にマージンを築いていった。

 レースは20周を過ぎると、各車の間隔が広がり次第に落ち着きをみせていく。66周のレースで今度はタイヤのタレ等が問題となっていくが、少しずつD'stationがS Roadとのギャップを詰めていく。しかし、いよいよピットストップが近づこうかというところで、2番手以下に波乱が。D'stationはコースアウトしたかARTA、MOTULの先行を許し4番手となりピットへ。さらにその直後ARTA NSX CONCEPT-GTも左リヤタイヤがバースト。カウルを壊し、大幅に順位を落としてしまった。

 各車がピットインを終えてみると、タイヤ無交換作戦を敢行したか、他チームよりも10秒以上速いタイムでピット作業を終えていたKeePer TOM'S RC F、PETRONAS TOM'S RC F、DENSO KOBELCO SARD RC Fというレクサス勢が大幅にポジションを上げ先行。速さで優るGT-R勢がこれを追っていく展開となる。その中で、44周目のターン1で本山からS Road MOLA GT-Rのステアリングを引き継いだ柳田真孝が、KeePerを駆る伊藤大輔をパス。トップを奪還した。

 しかし、柳田の背後に中嶋一貴が駆るPETRONAS TOM'S RC Fが一気に接近していく。一貴は47周目には一気に柳田のテールにつけ、2台のバトルが展開されるかと思われたが、49周目の最終コーナーを立ち上がろうとした時、S Roadはトラブルが起きたか失速! 駆動を失ったようで、無念のガレージインとなってしまった。

 また、ランキング首位でトップを争っていたMOTULも、GT300クラスのトップを走っていたGAINER Rn-SPORTS SLSとヒットしてしまい、ポジションを落とす。さらにそれによりドライブスルーペナルティを取られてしまい9番手までポジションを落としてしまうなど、GT-R勢の牙城はD'stationをのぞき、レース後半に一気に崩れてしまう。

 これでレースは、予選までスピードの面で苦しんだトムス勢のワン・ツーという展開になっていく。一方3番手争いは、佐々木大樹駆るD'stationと、ジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ駆るカルソニックIMPUL GT-Rとの争いとなった。

 この2台は、燃料リストリクター制限を受け絶対的なスピードに苦しむKeePerに残り8周というところで急接近。60周目にはD'stationが、62周目にはカルソニックがKeePerをパス。D'stationを駆る佐々木はPETRONASを急速に追いつめていくが、最後までPETRONASがきっちりトップを守りチェッカー! 第6戦鈴鹿に次ぐ連勝を飾り、これでジェームス・ロシターが一気にランキング首位に躍り出た。

 2位はD'stationで、今季最上位フィニッシュ。カルソニックが3位、KeePerは4位でチェッカーを受けた。ホンダ勢の最上位はウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTの5位という結果となった。白熱のスーパーGTの戦いを最後まで多くのファンが堪能し、初めてのタイ戦は成功裏に終わったと言っていいだろう。