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クレーマーがクレーマーを生む「負の連鎖」 疲れとイライラは、人の心も狭くする

2014年10月05日 18:40  キャリコネニュース

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以前、ホテルのモンスタークレーマーについて紹介したとき、入社数か月経ったころには、「パニックにならず、あまりダメージを受けなくなっていました」と書きました。逆に言うと入社数か月までは、「何の価値もない人間だな」など人格を否定されるようなことを言われるたびに、ひとり陰で泣いていたものです。

しかし次第に慣れ、最終的には1時間ぶっ通しで怒鳴られ続けても、頭の中では「ジャイアンの歌声を聞かされている時、のび太くんってこんな気持ちなのかな」などと考えながら、やり過ごせるようになりました。

たいていの苦情は「傾聴」でクールダウンする

ホテルで働いていると、残念なことですが、クレームを受けることも度々あります。クレームの中には、もちろんホテル側に非があり真摯に受け止めなければいけないものもありますが、理不尽なものも沢山あります。

しかし、ホテルでのお仕事をやっていくうちに、クレーム対応にも徐々に慣れ、どちらのケースでも割とすんなりと対応していけるようになりました。まず、ホテル側に非がある、もしくはホテル側に特に非はないが納得できる内容のクレームの時。これらの場合は、

・相手の話をさえぎらずに聞くこと ・共感すること ・心をこめて謝ること

この3点を意識すれば、クレーム処理は意外とスムーズに終わります。クレームを言って来られるお客様は興奮状態にあることが多いので、ひたすら耳を傾けるようにすると、お客様も話している途中で次第に冷静になり、クールダウンしてきます。

そして、ある程度話し終わり、冷静になったころに「それは不快な思いをされたでしょう」と共感し、しっかりと謝罪をすると、

「そうそう、私は大変な思いをしたのよ、でも分かってくれたらいいの」

と、お客様に思っていただくことができるのです。これでたいていのクレームは丸く収まるように思います。

心を折られないためには、ひたすら受け流すしかない

しかし、中にはクレームをつけることを目的にやって来るモンスターもいます。これには、いかなる対応術をもってしても何の効果もなく、ひたすら我慢するしかありません。モンスターが疲れるまで、謝り、やり過ごすのです。

人の話を受け流すことができるようになった、というのはあまり良いことではないのかも知れませんが、モンスタークレーマーに心を折られないためには、必要なスキルなのかなと思っています。

とはいえ、ホテルマンだって人間です。どんなに慣れていても、クレームばかり受けていると、ストレスが溜まってしまいます。

クレームが人に与えるストレスってすごいんだな、と感じたことがあります。私の職場には、M崎さんという普段はとても優しい先輩社員がいたのですが、ある日の仕事中、2人ほど連続でクレーマーにあたってしまいました。

その日の帰り道、コンビニに寄ったところ、店員さんが不愛想な顔で「温めますか?」と聞いてきました。が、M崎さんが買おうとしていたのは冷製パスタ。M崎さんは思わず声を荒げて、

「温めるはずないでしょ! 何考えてんの!?」

と怒鳴ってしまったのだそうです。

そのクレーマーも疲れが溜まっているのかも

普段なら絶対にこんなことでは怒らず、むしろ「いや、温めたら冷製じゃなくなるから!」と笑って突っ込むタイプ。「疲れとイライラって人の心も狭くするんだね、怖いわあ」と、M崎さんは言っていました。

その話を聞いたとき、「クレーマーがクレーマーを生む、負の連鎖」という謎のキャッチフレーズが、ふと私の頭をよぎったのでした。

と同時に、急に怒鳴ってきたりするお客様も、もしかするとM崎さんのように仕事中にクレームを受けてイライラしているのかな…と思い、理不尽なクレームでも相手を労わる気持ちを持って接客しないといけないな、と思ったのです。

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