読書に音楽鑑賞、サッカーにテニス――。あなたの趣味がこんなところでおさまっていれば、就活で問題が生じることはない。しかし「アニメ好き」だけは、採用担当者に思わぬマイナスイメージを与えてしまうことがあるという。
9月24日のダイヤモンド・オンラインに掲載された、キャリアプロデューサー櫻井樹吏氏のコラム「就職できない若者の『トンデモ言動』」では、アニメ好きの就活生にまつわるエピソードが紹介されている。
就活中だけでも「アニメ声優の呼び出し音止めて」
櫻井氏が以前、企業への応募者の携帯に電話したところ、「国民的アニメ」の声優の声で呼び出しメッセージが流れ、心配になったことがあったという。
「ただいまお繋ぎしております。早く出てほしいとのお気持ちはわかりますが、持ち主にも事情がございます。しばしお時間をいただけますよう、お願い申し上げます」
櫻井氏は、携帯は個人の所有物なので設定は自由で構わないとしながら、「社会との接点として、携帯電話が重要な役割を果たすのは間違いありません」と困惑を表す。そしてこのような設定は、学生気分が抜け切らないと判断されるようなものだと指摘する。
「企業としては、社会に出る準備ができているのか、あるいは社会人としてモラルのある方なのかと、採用への不安につながる事もあり得ます」
その上で、「就活期間中だけでも通常の設定に戻してみるのはいかがでしょうか」と呼びかけている。確かに大事な連絡を取ろうとしたとき、アニメ声で「持ち主にも事情がございます」ではカチンとくる採用担当者もいるかもしれない。
しかしツイッターや2ちゃんねるでは、記事に対して「余計なお世話だ」「うはぁマジでクソだな」と反発する声が相次いでいる。プライベートでも使う携帯電話に、就活であれこれ言われるのは納得がいかない様子だ。
「学生気分が抜け切れていない」という指摘についても、「現に学生なんだから当たり前だろ」と反論も。ただ、社会人の先輩からは「アニメ声以前にメッセージの内容が滑ってるだろうよ」と冷ややかな声もある。
趣味の否定は余計なお世話。いっそ逆張りでもしてみるか
アニメ好きは就活に不利と指摘するのは、キャリアプロデューサーばかりではない。マイナビウーマンが昨年秋に行なったアンケート調査でも、「他人の履歴書の趣味の欄に書いてあったら引くこと」で男女ともに1位だったのが「アニメ鑑賞」だ。
最近は大人も楽しめるアニメもたくさんあるが、アニメは幼稚なもの、という認識が抜けないのだろうか。女性の回答では2位「アイドル関連」、4位に「フィギュア集め」、5位は「ゲーム」がランクイン。全体的にサブカル系の評価が低い。
ウェブメディア「しらべぇ」が9月に行なった調査でも、「大人は少年マンガを読むべきではない」と答えた人が約16%を占めたという。年代が上になるほど高くなり、20代では9%だが、50代では17%、60代以上では25%となった。
「読むべきではない」という回答は、年収が高くなるほど多くなる傾向もあり、700万~1000万円未満で24%、1000万円以上だと30%に。他人の好みは尊重すべきだが、採用面接では50代以上の役員や高収入の社員と出会うことは多く、踏まえておいて損はない。
とはいえ、年収1000万円以上でも7割の人は少年マンガを否定していないので、確率からすればそう気にすることはないのかも。そもそも趣味の否定など、余計なお世話。いっそのこと逆張りで「好きなアニメランキング」とその理由を話して、他人と差をつけてみてはどうだろうか。
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