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可夢偉「“カムイコール”はとっておいて」 琢磨&マンセルも登場の日本GP前夜祭

2014年10月05日 04:10  AUTOSPORT web

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おどけた表情を見せるマンセル。この日は終始ごきげん
4日夜、恒例の日本GP前夜祭が鈴鹿サーキットのグランドスタンドで行われ、多くのファンが爆笑(?)トークを楽しんだ。

 前夜祭には3人のスペシャルゲストが登場。最初に登場したのは佐藤琢磨だ。

 琢磨は、大観衆を前に決勝レースの見どころを解説。また、自ら日曜日に搭乗するデモランについても言及。「レースは雨の方が面白くなりそうだけど、お客さんのことを考えると、降らないで欲しいよね……それに、雨だとボクも走れなくなっちゃう……」と語った。

 琢磨のトーク中、ふたりめのゲストが登場。決勝レース前にデモランを行うナイジェル・マンセルである。この日のマンセルは終始“超”が付くほどご機嫌で、「この日のために髭を生やしてきたよ」などと、最初から笑いを取った。

 佐藤琢磨がF1を目指したきっかけが1987年の鈴鹿初開催の日本GPだったが、この時の予選でマンセルは3コーナーでクラッシュを演じている。琢磨はこの時の話を「僕がスタンドで観ていたら、ナイジェルは戻ってこなかったんだ……」と披露すると、マンセルは恥ずかしそうに顔を隠すなどして応じた。

 なお、デモランではマンセルがウイリアムズFW11、琢磨がマクラーレンMP4/4に搭乗予定。「琢磨に優勝はゆずるから、ゆっくり走ろうよ。なんかマシンが縮んだんだ」と提案。つまりは、マンセル自身が大きくなってしまったということだ。

 佐藤琢磨が退出すると、マンセルの饒舌ぶりは加速。来季F1に復帰するホンダにも触れる。「ちょっと時間はかかるかもしれないけど、ホンダは必ずやってくれる。それを観れるみなさんは、本当にラッキーですよ!」。現役当時の話になると、「ここだけの秘密なんだけど、当時のクルマはパワーがありすぎて、怖かった。だから、エンジニアに『ちょっとパワーを落として』とお願いしたんだ」とホントかウソか分からないような事も言う。

 続いて登場したのは、ケータハムの小林可夢偉。マンセルは「近い将来のワールドチャンピオンですよ」と紹介。司会のピエール北川氏は「そりゃあマンセルさんを尊敬して、フリー走行でターン3でクラッシュしましたからね」と応じると、マンセルは「まぁ、そんなこともあるさ」とおどけて見せる。これに可夢偉は「それより、右フロントのダメージを心配した。実は右フロントのスペアがなくて、それが壊れてたらその後走れなかったんですよ……」と発言、するとマンセルはポケットから300ドルを差し出す。「ホンダとマクラーレンが、彼をサポートするべきだよね。その時は、僕がマネージャーをやるよ」とマンセルが語り、会場を沸かせる。

「大切なことを教えるよ。みんなの応援がとても大事。可夢偉を見かけたら、応援してほしいね」とマンセルは最後に発言。可夢偉へのサポートを訴えた。

 マンセルが退出してひとりになると、可夢偉は「明日は、帰ってきたぞというのを、見せたい。表彰台というのは正直厳しいですけど、しっかりマルシャとチームメイトの前でゴールしたいと思います」と可夢偉は決勝の目標を語る。「じゃあ、それができたらみんなで“カムイコール”をしようか」とピエールが語ると「いや、それは勝った人に悪いのでやめてください。いつか僕も勝てるように頑張りますんで、それまで取っておいてください」と、将来の目標を掲げた。

 前夜祭も終了。これで、残すは決勝日だけとなった。生憎の空模様が予想されているが、可夢偉の“最大限の走り”、そしてマンセルと琢磨による歴史的マシンのデモランを、ぜひその目に焼き付けて欲しい。

 最後に可夢偉はグランドスタンドに詰めかけたファンにこう言った。

「くれぐれもポンチョだけは忘れないように」