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GP直送:ケータハム、差し押さえ報道に反論も“支離滅裂”な説明

2014年10月03日 22:50  AUTOSPORT web

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FP1終了後にケータハムのホスピタリティで開かれたマンフレディ・ラベット代表の会見。チームのパーツなどが押収されたという先日の報道に反論したが、説明は納得のいくものではなかった。
F1日本GP初日のフリー走行1回目が終了した直後の10月3日午後12時、ケータハムが鈴鹿サーキットで会見を行った。出席したのは、9月からチーム代表となったマンフレディ・ラベットである。会見の目的は、イギリスの高等法院の命令を受けた執行官事務所のスタッフが、ケータハムの財産を没収し、競売にかけたという10月1日の報道に対する反論である。しかし、その反論は説得力がなく、ひとつの反論がまた別の疑問を有無という内容だ。

 その前に会見では執行官事務所がすでに発表している競売リストについて質疑応答が行われたので、それをまず紹介しておこう。

1)2013年のテストカー
2)2014年型マシンのパーツ(日本GP用も含まれる)
3)フルサイズの6DOFシミュレーター
4)ステアリングホイール
5)ホイール付きタイヤ
6)高品質ドリル加工、機械加工装置
7)ケーターハムの記念品(ロータス時代含む)
8)様々なピットレーン機器(ジャック、ポンプ、スターターなど)
9)テレビ、モニターなどの機器

 これに対し、ラベットは執行官事務所のスタッフが押収したのは、「我々のものではなく、1MRTの供給元企業に対して迫られたもの」と語り、「この企業は1MRTが所有している企業ではなく、したがって、ケータハムF1チームのF1参戦に関して影響はない」と世の中に出回っているニュースが根拠のないウワサだと主張した。

 だが、メディアが「2013年のテストカーはあるのか?」と詰め寄ると、「それは消滅した」と事実上、押収されたことを認めるなど、支離滅裂。それでも、「先週は、われわれがタイヤ代金を支払っていないというウワサが流れたが、我々はすでに支払いを行い、シーズン末までレースをするし、2015年も参戦し続ける意思はある。ヨーロッパは今はまだ明け方なので、あと2、3時間後にドイツ・ケルンにあるTMG(トヨタ)に電話してみるとよい。我々が2015年用のマシンを風洞実験していることがわかるだろう」と、チーム消滅のウワサを否定した。

 ちなみに次戦ロシアGPはマシンなどのレース機材を鈴鹿から直接ソチに搬入するため、物理的にはレースに参戦することは可能である。しかし、イギリスの高等法院がロシアの地元警察を通して差し押さえることは、その限りではない。

 会見に出席していた、あるイギリス人ジャーナリストは言う。
「ひとつのウソがまた新たなウソを生む。いまのケータハムはそんな状況。だれも彼らの言うことは信用していないよ」

(尾張正博)