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建築家・原広司が「写経」を通して2500年間の空間的思考を辿る『WALLPAPERS』展

2014年10月03日 10:30  CINRA.NET

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左:領域分割図(2014.11.14.東京 夕暮れ)、右:アリストテレス『形而上学』第五巻(部分)および『自然学』第三巻(部分)
原広司の展覧会『原広司:WALLPAPERS―2500年間の空間的思考をたどる〈写経〉の展覧会―』が、10月4日から千葉・市原湖畔美術館で開催される。

原広司+アトリエ・ファイ建築研究所として設計を手掛けた札幌ドーム、JR京都駅、梅田スカイビルなどで知られる原。設計活動のみならず、1970年代に行った世界の集落調査や、建築および空間理論の構築などにおいても功績を残し、東京大学の原広司研究室やアトリエ・ファイ建築研究所からも多くの建築家を輩出している。

同展では、原が「写経」したテキストを仮想の「壁紙」として壁面を埋め尽くすように展示。原は、自身が追究している「空間とは何か」という命題へのヒントとなる文献を「風景」に変換し、下図に「文字で塗り絵」をしたような写経作品によって美術館に新たな空間を生み出すという。「写経」されたテキストは、アリストテレス『形而上学』『自然学』、鴨長明『方丈記』、ダンテ『神曲』、カント『純粋理性批判』、グリム『グリム童話』、ソロー『森の生活』、宮沢賢治『銀河鉄道の夜』、谷川俊太郎『自選・谷川俊太郎詩集』、大江健三郎『万延元年のフットボール』など、紀元前から現代まで約2500年の間に記された書籍や文献となる。

なお10月4日には原によるオープニングレクチャーが行われるほか、11月15日には原と文芸評論家の三浦雅士、物理学者の大栗博司がそれぞれの視点から「空間とは何か」について語り合うセミナーが開催される。