いよいよ10月4日~5日に開催されるスーパーGTタイ。開催地のチャーン・インターナショナル・サーキットでは、すでに各チームのピットの設営もほぼ終わり、3日の走行開始を待つばかりとなったが、新設コースのピット内設備はチームにとってどんな印象なのだろうか? 数チームに聞いてみた。
このチャーン・インターナショナル・サーキットは、サッカースタジアムのニュー・アイモバイル・スタジアムの裏手に建設されたサーキット。建設構想開始からかなり短い期間で建設されたこともあり、FIAによるサーキット査察も通過したばかりだ。
とは言え、ブリーラム全体の全面的な協力が感じられ、サーキット内はすでに多くの現地スタッフが業務を開始。施設もほぼ完成されており、かなりパッと見た感じの印象は高い。では、実際のスーパーGTチームスタッフの印象はどうだろうか。
「この短期間でこれほどのものを作るのはスゴい」というチームスタッフが多く、またピット内はセパンほど暑くなく快適という声がほとんど(日射しの下に出ると非常に暑いが)。広さとしても十分なようだが、いろいろと問題も散見される。
まず、ピット数の関係上、2ピットに3台入っているところが多い。2台体制の同チームならばまだチーム内で融通はできるが、9~10番ピット(SUBARU BRZ R&D SPORT、グリーンテック SLS AMG GT3、PUMA KRH PORSCHEが入る)のように3チームが入るとなると、いろいろと状況は厳しい様子。同じ状況があったセパンでは、ピット内に柱がなかったのだが、こちらは柱がありかなり出入りはしづらい様子だ。
また、これまでもGTA坂東正明代表から説明があったとおり、ピット裏には常設のチームスタッフの休憩場所がない。ブリーラム・ユナイテッドのロゴが入ったテントがパドックには用意されているが、スポットクーラーこそ用意されているものの、酷暑の中でテントはかなり厳しい様子。ちなみに、ドライバー用にはエアコン付きのプレハブが用意されている。
コースはかなりフラットな印象だが、ゆるやかな傾斜がついている。グランドスタンドからコース全体が一望できるのは、ファンにとっては嬉しいところだ。すでに到着したドライバーはコースウォークを行っているが、一度コースを歩いたウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTの山本尚貴によれば、「事前にシミュレーターをやってきましたが、その印象よりもコース幅が狭い。GT300を抜くのもGT500を抜くのも大変そうです」とのこと。たしかにコーナーによってはかなりタイトな部分もあり、レースでは重要なポイントになりそう。
夜には照明もつき非常に明るいが、コースサイドではカメラマン用のホールが開いていなかったりと、新設コースならではの問題は多く見られている。ただ、タイのサーキット関係者も非常に熱意を持って取り組んでいる部分が印象的。チケットもタイの感覚からするとやや高めなようだが、かなり売上は好調のようで、週末に向けてどんな盛り上がりをみせるのか楽しみなところだ。