牛丼店「すき家」を運営するゼンショーは9月30日、1981店あるすき家店舗のうち、1167店で「深夜営業を当面、一時休止する」と発表した。
深夜帯の「1人勤務」(ワンオペ)の解消は喫緊の課題としていたが、今回の発表では589店舗で「複数勤務体制」を確立できたため、24時間営業を継続するという。87店舗については「曜日によって」24時間営業を継続する。
しかし全体の6割にあたる1167店舗では、10月1日の時点で複数勤務体制を確立できるメドが立たないため、深夜営業を一時休止することに。該当店舗では防犯システムを導入し、「無人店舗の防犯体制を強化」するとしている。
「なか卯」が代わりにワンオペ?
すき家には「前科」がある。強盗が多発した2011年、警察庁からの指導に答える形で2012年3月末までに全店舗において「深夜の時間帯の複数勤務体制を確立」すると発表していた。しかしその発表は守られず、今回の事態となった。
果たして今回の「ワンオペ解消」は本当なのか。キャリコネ編集部では日付が変わった1日の1時頃に、千代田区や台東区のすき家数店舗を回ってみた。火曜日の深夜とあって、客足はまばらだったが…。
確かに、これらの店舗では2人ずつの勤務が確認できた。いずれも若い男性の店員だった。千代田区のすき家から出てきた20代男性は、「たまに深夜利用するが、以前は1人で勤務していることも多かった」と話していた。
ただ、途中に通りかかったゼンショーグループの牛丼店「なか卯」では、男性店員が1人で働いていた。「なか卯」は自動券売機を設置するなど、オペレーションの負担は軽減されているというが…。
なお、ゼンショーは今回の発表で、この「なか卯」やファミリーレストランの「ココス」、回転すしの「はま寿司」などすき家以外の事業を、ゼンショーHDの100%子会社であるエイ・ダイニング社に承継する。さらにゼンショーは社名を「すき家本部」に変更し、明確な責任体制のもとで「すき家事業」に特化するとしている。
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