イラストコミュニケーションサービス「pixiv」を運営するピクシブが、大学や大学院を中退した求職者・転職希望者の「積極採用」をスタートする。雇用形態は正社員で、想定年収は400万~710万円。学歴や年齢、中退後の職務経験は問わない。
インフラエンジニアやウェブデザイナーといった技術職から、ディレクターや広告営業、人事、広報といった総合職まで幅広い職種で募集する。ITベンチャーなどでは「学歴不問」として中退者でも応募できることも多いが、「大学を中退した方の積極採用を開始」と大々的に打ち出す企業は珍しい。
「中退者にも優秀でやる気のある人はいる」
ピクシブの人事担当者によると、同社ではもともと能力があれば学歴は不問というスタンスで、これまでも中退者を採用してきた。そうした中、経済的な理由から大学を中退する学生が近年増えているというニュースが飛び込んできた。
文部科学省が9月下旬に発表したところによると、2012年度に大学を中退した学生は全体の2.65%にあたる7万9311人。最も多かったのが「経済的理由」で20.4%だった。前回2007年度より6.4ポイント高くなっている。
これを時事通信などが「経済的理由の大学中退増加」と報じ、これを耳にした同社の片桐孝憲社長が積極採用を発案した。人事担当者は、その狙いについてこう語る。
「大学を中退したことで、企業に応募できなくなることが多々あります。しかし中退者の中にも、優秀でガツガツしたやる気のある人はいます。そうした人たちに、スポットライトを当てたいと思いました」
職務経験のない中退者を「新卒」として採用するだけでなく、中退という経歴があることで転職先が限られてきた転職希望者も中途採用にも門戸を開く。
「しっかりとしたキャリアがあっても、中退というだけで、転職で引け目を感じる人も少なくありません。弊社では、中退者であっても能力で評価しますし、入社後も大卒資格がないというだけで、給与の上がり幅が差別されることもありません」
同社サイトでは、「今まで中退という経歴だけで就職活動をあきらめていた方、就職活動の仕方が良く分からなかった方、この機会に是非ご応募ください!」と呼びかけている。ツイッターでは早くも「まじか。よし転職だ」「考える…」といった声が挙がっていた。
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