2014年09月26日 20:41 弁護士ドットコム
松島みどり法務大臣が9月26日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開き、大臣としての抱負を語った。記者たちからは、特定の民族や人種に対する「ヘイトスピーチ」への対処や、在日韓国・朝鮮人の排斥を主張する在特会(在日特権を許さない市民の会)についての質問が出た。
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「『韓国人を殺せ』『在日韓国人出て行け』というヘイトスピーチがたくさんある、法務大臣として、そういう問題にどう取り組むのか」
記者からこう問われると、松島大臣は「特定のマイノリティと呼ばれる方たち、特定の人種や民族、国籍の方たちに対する憎悪や侮蔑とか、そういう言動は絶対に許してはならない」と発言。その後、一拍おいて、「許してはならないのですが、それについてはいくつかの対応を考えています」と続けた。
それは、どんな「対応」なのか――。
「ひとつは、いまの法律の枠組みの中でも、民法の不法行為、名誉毀損に該当する場合には、損害賠償請求が発生します。
また、一定の場合には、刑法の名誉毀損罪であるとか、侮辱罪、業務妨害罪にあたってきます。そういったかたちで、罪になってまいります。
ただ、特定の個人や団体を、特定した行動でないと、そういう形は、なかなか難しい」
松島大臣はこのように述べ、法規制の強化には言及しなかった。しかし、松島大臣も触れたとおり、名誉棄損罪や侮辱罪などは、特定の個人や団体が対象でないと、罪に問うことが難しいと言われている。その「対象外」とされる差別的な発言については、どう対応するのだろうか。
松島大臣はそうしたものも「あってはいけない」としつつ、「私たち法務省としては、人権擁護という観点に立って、いろんなテーマで啓発活動をおこなっています。その啓発活動のテーマのなかの重点項目の一つが、『外国人の人権を尊重しよう』というのがあります」と述べた。
一方、会見では、記者から「在特会について、どう思うか」という質問も投げかけられた。
すると、松島大臣は慎重に言葉を選びながら、次のように答えた。
「憲法に結社の自由が認められています。そして、それに該当するとしたら、良い点・悪い点という判断材料はありませんし、結社の自由があることと、そういう会があることを知っている程度にすぎないので、何とも言いようがありません。
つまり、どんな言動をしているか子細に承知しているわけでないし、評価のしようがない、何とも言いようがないです」
ここで司会の男性が「もっと情報を入手したいと思いますか?」と口を挟むと、元新聞記者でもある松島大臣は次のように返答した。
「新聞情報を勉強したかぎり、京都のある民族の学校での周辺の行動について、在特会のメンバーの人に対する判決が出たことは承知していますが、その会の目的については知らないというか、法務大臣の所管する会でもないので、わかりません」
【動画】松島みどり法相「ヘイトスピーチは絶対許さない」 在特会は?「何も言いようがない」
https://youtube.owacon.moe/watch?v=-K1AZ2RTLcw
(弁護士ドットコムニュース)