WEC世界耐久選手権のLMP1-Hクラスに今年から参戦しているポルシェは、来季に向けて新たなLMP1マシンを製作する見込みだ。
ル・マン24時間で最多となる16回の総合優勝を果たしているポルシェ。今年16年ぶりに耐久レースの最高峰カテゴリーへの“復帰”を果たし、参戦初年度ながらアウディ、トヨタとの三つ巴の戦いを繰り広げている。
そんなポルシェのLMP1プログラムを率いる首脳陣は、919ハイブリッドを来季に向けて新たにデザインし、モノコックも新たに製作する計画であると明かした。マシンのコンセプトや、ハイブリッドパワートレインに大きな変更はないという。チームのテクニカルディレクターを務めるアレックス・ヒッチンガーは、次のように語っている。
「ほとんど新たなマシンになるだろう。これは、プログラムの当初から決まっていたことなんだ」とヒッチンガー。
「初年度の戦いで学んだことをもとに、新たなモノコックを制作し、マシンを再びデザインするという計画だったんだ」
また、チームを率いるアンドレア・ザイドルによると、新たなマシンは「ゼロからデザインされる」ものの、コンセプト自体は現在の919ハイブリッドから「大革新されるわけではない」という。
マシンは“919”のナンバリングを引き継ぐものと見られ、年末にシェイクダウンが行われる予定。なお、ポルシェは今季、1周あたりに放出できるエネルギー量のテーブル(2MJ/4MJ/6MJ/8MJ)の中で6MJを採用しているが、来季に向けて8MJを採用するのかどうかは現在のところ明かされていない。
LMP1-Hクラスをともに戦うトヨタは、現在のTS040ハイブリッドをアップデートする形で来季マシンを製作する予定で、TMGのテクニカルディレクターを務めるパスカル・バセロンによると「大きな革新はない」という。1周あたりのエネルギーレベルに関しては、最終的な決定は下されていないものの、現在の6MJから8MJに引き上げることを目指す。
またアウディも、今季のコンセプトを引き継いだマシンを15年シーズンに投入予定。エネルギーテーブルに関しては、現在の2MJから4MJに引き上げることを目指しているということだ。