1960年代から90年代までF1をはじめF2等で活躍、二度のF1コンストラクターズタイトルを獲得している名門ブラバムの名が、来季国際的なモータースポーツシーンに復活する可能性が出てきた。創設者ジャック・ブラバムの三男であるデイビッド・ブラバムが、新たなプロジェクトを立ち上げ来季WEC世界耐久選手権のLMP2クラスに参戦するという。
三度のF1ワールドチャンピオンである故ジャック・ブラバムが1962年に設立したブラバムは、66年にはジャック自身の王座獲得をはじめ、二度のコンストラクターズタイトル、四度のドライバータイトルをもたらしたモータースポーツ界のビッグネームのひとつ。
1980年代前半まで、オーナーを務めたバーニー・エクレストンの手によりトップチームのひとつとして君臨したが、その後90年代に低迷。バブル景気に押された日本企業のバックアップも実らず92年を最後にチームは消滅した。その後、何度かブラバムの名の復活に向けた動きはあったものの、直接“本家”とは関係もなかった。
一方、ジャック・ブラバムの3人の息子たちはいずれもレーシングドライバーとなり、長男ジェフの息子マシューもドライバーに。今季はインディライツでランキング4位を獲得している。また、兄弟の中でも三男デイビッドはル・マン24時間を制するなど、スポーツカーレースで活躍。今季も現役を続けている。
そんなデイビッドがチームプリンシパルとなり、直接“ブラバム・ファミリー”が関わった、『プロジェクト・ブラバム』という野心的な計画が新たに立ち上げられた。チームは『ブラバム・レーシング』を名乗り、来季WECのLMP2クラスに参戦。3年間実績を積んだ後、2018年からコンストラクターとして復活。LMP1クラスを目指すという。
また、ユニークなのはこのプロジェクトは、広くソースを募るとともに、クラウドファウンディングを活用。F1レベルまで高いレベルを目指すという。
「僕は長年、父が1960年代に築いた栄光と同じように、高いレベルで戦うブラバム・チームがレーシングコースに戻ることを夢見ていたんだ」とデイビッドは語った。
「普通のレーシングチームのモデルでは、僕は十分にエキサイティングで、継続性があるとは思えなかったんだ。『ブラバム』の名を復活させるためには、また違った考え方をしなければならないんだ」
すでにプロジェクト・ブラバムのクラウドファウンディングページ(https://www.indiegogo.com/projects/project-brabham)が開設されており、早々に200万円近い資金を集めている。また、ファウンディングは1ポンドから受け付けており、それぞれの投資に応じたリターンが用意されている。