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GAZOO Racing 86/BRZ Race第8戦富士:谷口信輝が今季4勝目。2年目の王座獲得を決める

2014年09月22日 16:50  AUTOSPORT web

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今季4勝目を飾り、2年目の86/BRZ Race王者を決めた谷口信輝
シリーズも佳境に差し掛かったGAZOO Racing 86/BRZ Race第8戦の舞台は富士スピードウェイ。ポールポジションは織戸学(TR86クローズEXPLODE)が獲得したものの、オープニングラップのうちにトップに立った谷口信輝(KTMS 86)が逃げ切りを果たして優勝し、最終戦を待たずタイトルを獲得した。

 エントリーは過去最多となる91台にも達し、もしすべて揃ったなら予選落ちも出ることとなったが、幸か不幸か前回のレースでダメージを負って修復が間に合わなかった車両が数台あり、全車が決勝レースに出られることとなった。

 予選1組では「引っかかりまくり。一度もクリアが取れなかった」と語る谷口を1000分の2秒差で抑えて織戸がトップ。2分5秒424を記して、まずは暫定ポールポジションにつくこととなった。3番手は山野直也(CABANA BSμ86)で、4番手には小林敬一(OTG GY 86)が。今回からグッドイヤーは新スペックのタイヤを投入しており、さっそくその効果が現れた格好だ。

 予選2組では青木孝行(ケーエムエスADVAN 86R)がトップ。しかしながら、5秒451がベストと、織戸のタイムにはあと一歩及ばず、ポールポジションを獲得することはできなかった。「いったんピットに戻ったけど、いけそうな手応えがあったからまたいったんだけど……。黄旗振動が出ていたから、やめちゃいました。最終戦出られないので、ランキングで少しでもマージンを作りたいから、今回は大事に行きたい。なので、フロントロウで良かった」と青木。2番手につけた森川基雄(ウィニング制動屋86長谷川運輸)は、岡山のAE86スペシャリスト。FRの走らせ方を熟知したドライバーだ。そして、3番手には小林同様、グッドイヤーユーザーの佐藤晋也(OTG TN滋賀 86)がつけることになった。

「タイム的にはもうちょっと。練習とはコンディションも違っちゃったし、いちばんいい時に引っかかっちゃっているし。でも、僅差だけどもポール獲れたんで、レースはしっかり楽しみます」と織戸は予選を終えて、そう語っていた。

 決勝当日は、まさに秋晴れの好天に恵まれることとなった。スタートで織戸は遅れてしまい、1コーナーで青木、そして谷口にもかわされてしまう。さらにコカコーナーコーナーでは、谷口が青木を抜いてトップに浮上。その後は青木と織戸の攻防が激しく、谷口は一気に差を広げることに。2周目、3周目に入ってもその状況はなおも続いたこともあり、谷口は2秒にまでリードを広げることとなる。4周目には織戸が最終コーナーで青木を抜いて、ようやく2番手に浮上した。

 ところが、5周目に入って間もなくセーフティカーがコースイン。100Rでストップした車両があったためだ。せっかくのリードを失った谷口ながら、7周目のリスタートもしっかり決めて織戸の逆転を許さず。リスタート後に順位が動いたのは、3番手争いの方だった。背後から山野がプレッシャーをかけていたのが効いたかのように、青木が8周目のヘアピンでダートに足を落としてしまう。なんとか踏ん張った青木ながら、あおりを食らってしまったのは、そこまで5番手につけていた森川。姿勢を乱した青木を避けようとして、順位を落としてしまったからだ。そして、9周目の1コーナーで山野は青木をかわして、3番手に浮上。また、森川に代わって5番手には佐藤が浮上するも、蒲生尚弥(ASICS Blue 86R)に間もなくかわされてしまう。

 リスタート直後の逆転こそならなかったが、織戸も離れず続いてチャンスを待つが、谷口は隙を一切見せなかった。その結果、コンマ7秒差ながらも織戸を振り切った谷口が、第5戦以来となる今季4勝目をマークし、悲願のタイトルを掌中におさめることとなった。

「いちばんの勝因はスタート! その後の1コーナーで織戸くんと青木がやり合うのは読んでいたから、そこを突こうと。早々とトップに立てて良かった。SCがはいった時は『え~』って(笑)。リスタートが肝心だったんだけど、SCのランプが消えるのが遅くて、これはちょっとヤバいかなと。もう少し早く消えていたらダンロップコーナーでアクセルを踏み込んでいたんだけど、そうもいかなかったから。それでもギリギリのところで追いつかれずに済んだ。僕もタイヤはきつかったけど、織戸くんの方がもっときつかったんじゃないかな。追う方だし、それとこっちは立ち上がり重視で行った分、ちょっとはましだったかもしれない。これでチャンピオンが決まったね!」と谷口。

 ブリヂストンユーザーの山野が久々に表彰台に立って、ヨコハマ勢の表彰台独占を阻止。青木に続いて蒲生、佐藤がフィニッシュし、前回のウィナー小河諒(神奈川トヨタ☆DTEC86R)は一時5番手を走行するも、今回は7位に留まった。

(はた☆なおゆき)