トップへ

ハミルトン優勝で選手権首位に。ロズベルグと可夢偉はレースできず/F1シンガポールGP 決勝

2014年09月22日 00:30  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

写真
2014年F1第14戦シンガポールGPは21日(現地時間)、市街地コースのマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットで60周(61周規定2時間レース適用)の決勝レースが行われ、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが2戦連続となる今シーズン7勝目、通算29勝目を挙げた。ケータハムの小林可夢偉はスタートできず、0周リタイアに終わった。

 今回で7回目を迎えたF1シンガポールGPは今年もマリーナ・ベイの公道を舞台に幻想的なナイトレースとして開催。土曜日の予選では選手権2位につけるメルセデスのハミルトンが1000分の7秒差でチームメイトを下してポールポジションを獲得。3、4番手にレッドブル勢が続き、フェラーリのフェルナンド・アロンソとウイリアムズのフェリペ・マッサがグリッド3列目に並んだ。

 現地時間21時(日本時間22時)から行われた決勝は、スタート前のフォーメーションラップでポイントリーダーのニコ・ロズベルグがソフトウェアのトラブルでグリッドを離れることができず、ピットスタートに。さらに、ケータハムの小林可夢偉もマシンのトラブルでスタートグリッドまでたどり着くことができず、波乱の幕開けとなった。

 そのなか、レースはスタートを決めたハミルトンが序盤からリードを奪い、2番手に浮上したセバスチャン・ベッテルがハミルトンに食らいつく展開。3番手にアロンソが浮上し、4番手以下にダニエル・リカルド、キミ・ライコネン、マッサと続いた。
 トップのハミルトンは最初の10周こそベッテルとファステストラップを分け合う互角のレースを強いられたが、最初のピットストップを終えるとベッテルとの差を7秒前後まで拡大し、その後は後続との差を維持しながら周回、中盤に向けて徐々にレースをコントロール下に置いていった。

 22周目にマッサが2回目のピットに向かうと、その他の上位勢もそこから2回目のピットストップに動く。ここではハミルトンが引き続きトップを守る一方で、2番手ベッテルとの差を縮めていた3番手アロンソがアンダーカットを成功させ、2台のポジションが逆転。4番手にリカルドというオーダーに変わった。

 しかし、レースが折り返しを迎えた30周目にセルジオ・ペレスがエイドリアン・スーティルとの接触でフロントウイングを脱落。このパーツがコース上に散乱しセーフティカーが出動する。この時、上位勢ではアロンソがピットに向かいタイヤをソフトタイヤに変更、ポジションをふたつ落として4番手でコースに復帰する。すると、アロンソの前に立つレッドブル2台もすでに2回目のピットでタイヤ交換義務を終えていたため、先頭のハミルトンだけが最後1回のタイヤ交換を残すこととなった。

 38周目にレースが再開すると、スーパーソフトを履くハミルトンは1周につき2.5秒も速いペースで2番手ベッテル以下を引き離し、ピットストップ1回分のリードタイム27秒を稼ごうとハードにプッシュ、42周目には早くも10秒のギャップを開くことに成功する。だが、その差が約25秒になったところでハミルトンのタイヤがタレはじめ、チームは52周目にハミルトンをピットに呼び寄せる決断を下した。

 ハミルトンはここでベッテルに僅差で先行を許してしまう。だが、新たなタイヤを手にしたハミルトンは逆に2ストップ戦略でタイヤが厳しくなったベッテルをすぐに逆転。54周目にトップへ再浮上すると、2時間レースの適用で1周少ない60周をトップで駆け抜け、今シーズン7勝目を獲得。選手権争いでロズベルグを抜いて首位に立った。

 2位は、終盤にリカルドとアロンソの追い上げを振り切ったベッテルが入り、今シーズンのベストリザルトを獲得。3位リカルドとももに表彰台に登った。

 一方、トラブルでピットスタートとなったロズベルグは1回目のピットストップでステアリングのボタンが機能せず、ギヤをニュートラルからエンゲージさせることができず、レース続行を断念。痛恨のリタイアを喫し、選手権争いでも3ポイント差で首位の座を明け渡すこととなった。