WEC世界耐久選手権第4戦オースティンは現地時間20日、6時間の決勝レースが行われ、赤旗中断となるほどの大雨の中でもミスなく走り続けたマルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ組の2号車アウディR18 e-トロン・クワトロが優勝。2位には1号車アウディが入り、アウディ陣営がル・マン24時間に続いて2戦連続のワン・ツー・フィニッシュを飾った。
今年で2年目の開催を迎えるWECオースティン戦。北米のユナイテッド・スポーツカー・チャンピオンシップ(USCC)との同時開催となった今回のレースは、USCCの決勝レース後、現地時間17時の夕暮れ前から始まった。
序盤は、予選でポールポジションを獲得した8号車トヨタTS040ハイブリッドがハイペースで後続を引き離し、2番手に7号車トヨタ、その背後でポルシェとアウディが順位を争う形で展開。ただ、最初のピットストップで2号車アウディが順位を上げ、8号車の背後につけた。
そんな中、スタートから約1時間30分というタイミングで、コースに大粒の雨が降り始め、路面は一気にヘビーウエットに。ニコラス・ラピエール駆る8号車トヨタは、12コーナーでコースオフを喫してグラベルに捕まり、1ラップダウンとなってしまう。7号車トヨタ、そしてポルシェ勢もコースオフを喫する一方で、アウディ勢は大きなミスなく走行し2号車が首位を奪取した。
この雨により1時間弱の赤旗中断となり、その後、日も沈みかける中でレース再開。後半は、2号車アウディがレースをリードし、14号車ポルシェと1号車アウディが2番手を争うような展開となるが、最後は2号車が後続を1分弱引き離してトップチェッカー。ル・マン24時間に続く2連勝を挙げた。
8号車トヨタもラップダウンの4番手から追い上げを見せ、最後の給油後はすぐに14号車ポルシェを抜いて3番手に浮上。10秒強前方の1号車アウディを追ったがポジション奪取はならず。2位に1号車アウディ、8号車トヨタが3位と、上位3位は奇しくもル・マン24時間と同じ並びとなった。4・5位に14号車、20号車のポルシェ勢が続き、7号車トヨタは6位となった。
ハイブリッド非搭載のマシンで争われるLMP1-Lクラスでは、レベリオン・レーシングの12号車レベリオンR-One・トヨタが優勝。予選はトラブルにより参加できなかったロータスCLM P1/01・AERがデビュー戦ながら2位。13号車レベリオンは、トラブルが発生したかレース途中へガレージに入れられ、完走はならなかった。
LMP2クラスでは、スタートで首位を奪ったKCMGの47号車オレカ03R・ニッサンと、スポット参戦の30号車HPD ARX-03b、そして26号車リジェJS P2・ニッサンの3台が序盤から首位争いを展開。赤旗中断を挟んでのレース再開後からはSMPレーシングの27号車オレカ03R・ニッサンも首位争いに絡んでいくが、赤旗前の降雨時に順位を落としたKCMGの47号車もハイペースで走行。47号車で夜間の走行を担当した松田次生も追い上げを見せ、最後は後続を44秒引き離してクラス優勝を果たした。2位に27号車オレカ、3位は30号車HPDとなった。
LM-GTEプロクラスでは、予選2番手の97号車アストンマーチン・バンテージV8がスタートで首位に浮上。赤旗中断後は97号車とポルシェ勢が首位争いを展開し、ピットストップのタイミングで首位を交換し合うような形となるが、最後は97号車アストンマーチンが92号車ポルシェをコース上でパス。クラス優勝を決めた。2位は92号車ポルシェ、3位には51号車フェラーリが入り、終盤のピットストップ時に短時間ながらガレージでの作業を受けた91号車ポルシェは4位となった。
LM-GTEアマクラスは、赤旗中断後から終盤までプロトン・コンペティションの88号車ポルシェがトップをキープしていたが、レース終盤30分で98号車アストンマーチンが首位を奪取しクラス優勝を果たした。2位には僚友の95号車アストンマーチン、3位に88号車ポルシェが入っている。
次戦、WEC第5戦富士は、10月10日~12日に開催される。