2015年からWEC世界耐久選手権のLMP1クラスに参戦するニッサンは、同じく来季からスタートするLMP3クラスにエンジンを供給することを明らかにした。
来季からWEC/ル・マン24時間のLMP1-Hクラスに『ニッサンGT-R LMニスモ』で参戦することを発表しているニッサンは、11年からLMP2クラス用の『VK45DE』エンジンを供給。今季のル・マンでは、LMP2に参戦した17チーム中13チームがニッサンエンジンを採用するなど圧倒的なシェアを誇っている。
ニッサンが来季からエンジンを供給することになったLMP3クラスは、ル・マンやWECを目指すチームやドライバー、コンストラクターのための入門カテゴリーとして15年から創設される。供給されるエンジンは、ニスモがチューンした5リッターV8自然吸気の『VK50VE』エンジンだ。
ニッサンは、GTアカデミーウイナーたちのステップアップにもこのLMP3を活用する計画。GT4やGT3車両のレースでスポーツカーレースのキャリアを開始したドライバーたちは、LMP2クラスの前にLMP3を経験する。その後、LMP2で成功を収めた場合は、LMP1にも挑戦することができるという。
また、ACOによると、LMP3では、ニッサンのエンジンにXトラック社製のギヤボックスと、マニエッティ・マレリ製のエンジンマネジメントシステムを組み合わせ、オレカがパッケージとしてチームに販売。バックアップサポートもオレカが担当することで、メンテナンスやスペアパーツなどチームへの負担を和らげることができるという。
LMP3クラスは、来季からヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)とアジアン・ル・マン・シリーズ(AsLMS)に組み込まれる。ELMSでは、チャンピオンチームにル・マン24時間のLMP2クラスへの参戦権が与えられる。
また、ELMSのドライバーズ選手権で王座を獲得したドライバーは、ニッサンのジュニアチームでLMP2をテストすることができるほか、ニッサンのドライバーズプログラムに加入することができるという。なお、LMP3車両はル・マン24時間本戦には参戦できないが、ル・マンのテストデーには参加可能となっている。