岡田将生の主演映画『ストレイヤーズ・クロニクル』が、2015年に全国公開される。
同作は、『MOMENT』『真夜中の五分前』などの作品で知られる本多孝好の同名小説をもとにした作品。同書は、2012月4月に発表された『ACT-1』、同年10月の『ACT-2』、2013年4月の『ACT-3』からなる3部作で、挿絵を漫画家の田島昭宇が手掛けた。
物語は、子どもを突然変異させ、極限までに人間の能力を発達させる実験と、遺伝子操作で動物や昆虫の能力を持つ子どもを生み出す実験によって生み出された2組の若者たちを巡って展開。「破綻」と呼ばれる精神崩壊の危険を抱えながら異能力を活かし、「破綻」解消の鍵を握る議員・渡瀬から受けた裏の仕事を行う主人公・昴と、渡瀬を狙う異能力者たちの殺人集団「アゲハ」たちの戦いを描く。
視覚、視神経、脳伝達速度などが高度に発達し、相手の動きを先読みできる昴役を演じるのは、初の本格アクションに挑む岡田将生。車イスで生活するアゲハのリーダーで、体内に致死率80パーセントを超えるウイルスを保持する学役を染谷将太が演じる。また、「超聴覚力」を駆使して昴たちを窮地から救う沙耶役を成海璃子が演じるほか、『仮面ライダーウィザード』の白石隼也、『渇き。』などに出演する清水尋也、『クローズ EXPLODE』などで知られる栁俊太郎、「劇団EXILE」の鈴木伸之、同作で映画初出演を果たす瀬戸利樹らが、昴や学と同じ宿命を持つ彼らの仲間を演じている。さらに、外務副大臣・渡瀬役の伊原剛志や、石橋蓮司、豊原功補らが脇を固める。
監督は、『ヘブンズストーリー』『アントキノイノチ』など知られる瀬々敬久。脚本を、『桐島、部活やめるってよ』の喜安浩平が担当する。アクションは映画『GANTZ』のアクションとVFXチームが手掛け、夜の東京を舞台にした激しいアクションを展開するという。
【岡田将生のコメント】
今回お話を頂いて、驚いたのは瀬々監督がアクションを撮るんだ!ということでした。今回の作品のようなイメージが監督にはないですし、僕もアクションをやったことがなかったので、なんでやったことのある人にオファーしないんだろうって。(笑)アクションに関しては時間がある限り練習させてもらって、基本の動きであったり見せ方であったりをイチから教えてもらっていました。アクションの撮影は現場でどう変わるか分からないですし、その変化に負けないように一生懸命ついていこうと思っています。楽しみです。この作品は若者たちの疾走感があって、社会派のメッセージ、ある意味、社会派アクションという意識が常に頭の中にあります。僕演じる昴が葛藤しながらも前を向いて生きていこうとする思いも分かるので、演じがいがあるなというふうにも感じています。『アントキノイノチ』でご一緒させて頂いてからすごく信頼してますし、自分の命を削っているような瞬間をかいまみることがある監督のもと、現場で感じたものを演じていければいいなと思っています。今までも、自分ではチャレンジ精神を持ってやってきているので、アクションも役柄も含めて、こういう役を与えて頂けたことはすごく嬉しいですし、これまでとは違った一面を見せられるよう、それに応えたいと思っています。
【染谷将太のコメント】
特異な役は多い方なのですが、今回は車椅子に乗っていて、いきなり突拍子もないことを言い出して、かなり感情が不安定な役なんです。それをどうやろうかと思っています。撮影初日に、瀬々監督から「素っぽい感じでギリギリな感じでそこに居て欲しい」と言われてこれはかなりハードルが高いぞと思いました(笑)。素っぽく、いかれてるって事は、俺がいかれてないといけないって事かなって思い、しびれました(笑)。大変だぞって。だからキャラクターを決めつけずこのシーンでは凄いダウナーだけど、このシーンでは凄い楽しそうと、全然読めない不安定さをやっています。自分の中では新しいチャレンジですし、自分も何が出てくるかわからないっていうのが楽しみです。
【成海璃子のコメント】
瀬々監督の作品は拝見していたのでいつかご一緒したいなと思っていました。なので、監督が瀬々さんというだけで、やりたいなって思いました。あとは経験したことがないくらい若い同世代のキャストが多くて、ご一緒する人も面白そうな人が多そうだなって思って興味が沸きました。特殊能力を持った孤立した存在なので、より仲間の絆が凄く深いな、と脚本を読んで感じたので、絆の強さと見た目は普通だけど、普通じゃない、という事を意識しています。私の役は岡田さん演じる“昴にぃ”が大好きな役なので、「大好きな昴にぃだ」と自分に言い聞かせてやっています。(笑)
【瀬々敬久監督のコメント】
原作は、世代闘争のようなところがあります。渡瀬というボス的な人たちと、彼らみたいな若者たちが戦ったり、共鳴し合ったりするのですが、自分たちが生きている場所について不安を持っている、それでも生きていかなければならない。今を生きる上でとても大事なテーマが根底にあるので、そういう意味で岡田くんたち若い世代の息吹を吸って撮りたいなと。アクションにしても、お芝居にしても、それぞれが持っている感情、エモーションを大事にしていきたいと一番に思っています。大変な時代だろうけど若者が頑張って生きている感じをチャーミングに描きたい。岡田くんに関してはピュアで、誰も見たことのない岡田将生をここで見せる!というのがテーマです。
【本多孝好のコメント】
『映像では体験できない映像体験』をしてもらいたい。そんな思いを込めて書いたのが、この「ストレイヤーズ・クロニクル」シリーズです。映像ではなく、小説だからこそ『見せられる』物語がある。この小説を書くに際して、私の中にはそんな対抗意識が確かにありました。映像を超えようと書かれたこの小説をベースに、熟練の監督と若く才能あふれるキャストたちがどんな映像を作り出していくのか。それはきっと、私の頭の中にはなかった新しい「ストレイヤーズ・クロニクル」であるはずです。今はその誕生をわくわくしながら待っています。