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日本の名門サード、来季ル・マン参戦へ。首脳陣がELMSを訪問

2014年09月16日 16:00  AUTOSPORT web

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レース関係者から寄せられたポールリカールでの野田GM、佐藤代表の様子
スーパーGT500クラスにLEXUS TEAM SARDとして参戦しているサード。かつてはシグマ・オートモーティブとして日本車として初めてル・マン24時間に参戦した古豪チームだが、そんなサードが来季ル・マン24時間、WEC世界耐久選手権のLMP1-Lクラスに参戦するのではないかと報じられている。

 サードは1973年にマツダエンジンを搭載してル・マン24時間に日本勢として初挑戦。その後も数多くのル・マン挑戦を続け、1980年代後半~90年代前半にはトヨタのグループCカーで参戦。1994年には総合優勝を惜しくも逃す2位を獲得した。

 その後、MR2をベースとしたオリジナルマシンのサードMC8-Rやスープラでル・マンに参戦したものの、それ以降はJGTC全日本GT選手権/スーパーGTへの参戦が主となっていたサード。しかし、今年4月に新たなプロジェクト『SARD RACING PROJECT』を立ち上げ、F1やル・マン等への豊富な参戦経験を誇る野田英樹をゼネラルマネージャーに招聘していた。

 それ以降も野田GMが今季のル・マンに訪問するなど、着々とル・マンをはじめスポーツカープロジェクトを進めていたサードについて、スポーツカー情報サイト『Endurance-Info』では、サードが来季WECとル・マン24時間に、LMP1-Lクラスから参戦するのが確定的だと報じている。

「サードは来季のFIA WEC世界耐久選手権、ひいてはル・マン24時間のLMP1-Lクラスに参戦する準備を進めています」と野田英樹GMはEndurance-Infoに語っている。

「交渉はすでに複数チーム、メーカーと現在進められています。我々は2015年に参戦する予定ですが、翌年以降のフル参戦に向け、2015年はスポット参戦になると思います」

 サードが参戦を目指すLMP1-Lは、メーカーが主に参戦するLMP1-Hと異なり、ハイブリッド装着が求められていないクラス。「我々はLMP1-LはLMP1-Hに対し速さで及ばないと把握しています。しかし、我々はハイブリッドを組み込むほどの資金はありません」と野田GM。

「ただ、我々の競争力は高いと確信しています。我々は2015年に参戦するために全力を尽くしています」

 一時、サードは現在ワークスカーとして参戦しているトヨタTS040ハイブリッドを購入し戦うのではないかという噂があったが、加藤眞会長はそれを否定しているという。サードのスポーツカー挑戦は秋頃には全容が明らかにされるのではないかという噂もあり、9月13日~14日にポールリカールで開催されたELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズには、野田GM、サードの佐藤勝之代表が現地を訪れていた。

 ポールリカールでふたりを直撃したレース関係者によれば、サードはLMP1-Lに加え、ガレージ#56への参加も検討しているという。LMP1クラスへの日本のプライベートチームの参加は、来季ル・マンでのトヨタ、ニッサンの参戦に加え大きなトピックスのひとつとなりそうだ。