Q&Aサイトの発言小町に、こんな相談が寄せられていました。相談者さんはある日、向かいの席に座っている同僚の机の上に、ICレコーダーが置いてあるのに気が付きました。電源ランプが録音になっており、どうやら常時録音しているようです。
同僚は以前、別の職場でパワハラのような嫌な目にあったという話を聞いたことがあります。しかし、いまは仲良くやっているつもりだし、まさか社内の会話を録音しているとは思わずショックを受けました。(ライター:Makiko.N)
相談者「常に会話が録音されているとストレス」
さらに別の日、出張中の同僚から「資料を見てほしい」と頼まれてパソコンを開いたところ、大量の録音データが保存されているのを見てしまいました。同僚が会話を録音・保存していることを知っているのは、おそらく相談者さんだけとのこと。
常に会話が録音されることにストレスを感じ、相談者さんは録音をやめてほしいと思うようになり、こんな相談を投稿しています。
「同僚に直接言わないで録音を止めてもらうようにするには、どうしたらいいでしょうか? また、職場でICレコーダーを用いて内緒で録音することは、法的に何か問題がありますでしょうか?」
この質問に対して、その同僚は自分の身を守るために録音をしているのだろうから、止めさせるのは難しいのでは、との意見が寄せられました。
「職場というのは戦場であり、同僚は自分をつぶしにかかる敵なのですよ。『敵に囲まれた戦場で武器を捨てろ』と言われて、大事にならないで済むでしょうか」(マチベンさん)
まりもさんも、質問者さんが「仲が良い」と思っていても、パワハラで一度傷ついた同僚にとっては「あなたも含め『もう全員』が的ですよ」と指摘しています。それだけ、昔受けたパワハラでよほど辛い思いをしたのでしょうか。
パワハラを録音し解雇無効を勝ち取ったケースも
驚いたのは、回答者の中に「自分も録音していた」という人や、「職場に録音している人がいた」という声が何件かあったこと。中には、録音したデータを本社監査部に送り、パワハラをしていた上司を閑職に追いやったという人もいました。
「私も職場でパワハラに遭っていた時は、録音機器を常時机の中に入れていました。電池を抜き取られたこともありましたが、すぐに予備電池を入れました」(mikanaさん)
「私もICレコーダーで朝から晩まで録音しています。会議もパワハラも、突然開始することがあります。その時にスイッチを入れるのではなく、出社したらオンにして、就業後にオフにするのが良いかと思います」(ひろさん)
ネットを検索してみると、2013年2月にNHK「クローズアップ現代」が「広がる“秘密録音”社会」という番組を放送していました。「秘密録音」とは、今回の相談のように、相手に告知することなく無断で会話や電話を記録すること。
番組では、上司のパワハラを録音し裁判で解雇無効を勝ち取ったケースや、脅迫されて支払ったお金を取り戻したケース、顧客との契約トラブルを回避できたケースなど、秘密録音が有効に使われた事例が紹介されていました。
その一方で、社員に発言を録音されていた社長が、逆に秘密録音をしているという噂が社内に広がり、誰も喋らなくなり職場がお通夜のようになった会社も。社員は「本当に精神的にまいってしまいます」とコメントしていました。
「職場での秘密録音は規制すべき」という意見も
番組に出演していた弁護士は、ICレコーダーによる秘密録音について「権力の腐敗とか、あるいは不正というのを暴く意味では、ものすごくいいツール」と評価しつつ、
「まず本来、信頼関係が確立すべき職場のようなところでは、やはり隠れて録音するというようなことは、これは規制すべきだと、禁止すべきだと思いますね」
と答えていました。ただし現在の法律では、録音しているだけで罪に問われるなどの秘密録音に対する明確な規定や制限はないようです。
それでも不快になってしまうなら、冒頭の質問者さんは上司に相談して、それとなく注意してもらった方がいいかもしれませんね。ただ、過敏な同僚が「私を裏切ったわね!」などと言って、ひと騒ぎ起こる可能性も高そうですが…。
あわせてよみたい:「パワハラ対策」に最適なICレコーダーはコレだ!
最新記事は@kigyo_insiderをフォロー/キャリコネ編集部Facebookに「いいね!」をお願いします