2015年にWTCC世界ツーリングカー選手権が、1周20km超のニュルブルクリンク北コースで開催されることになったが、来季に向けWTCCに参戦するホンダ・チームJASがシビックWTCCを持ち込み、9月13日に開催されるVLNニュルブルクリンク耐久シリーズに参戦する。
『ノルドシュライフェ』の愛称で知られるニュルブルクリンク北コースは、激しい起伏をもち市販車の開発にも多く活用されるほか、VLNやニュルブルクリンク24時間等、多くのレースが開催されている。そんなニュル北コースを使って来季、スプリントのWTCCが開催されることになるが、来季の開催に向け、実際のWTCCマシンが持ち込まれることになった。
ワークスのホンダ・チームJASがオペレートするシビックWTCCには、WTCCでもワークスドライバーを担うガブリエレ・タルキーニとティアゴ・モンテイロが乗り込む。ふたりはすでに8月に開催されたVLNに、JASが製作したニュルブルクリンク用2リッターNAの3ドアシビックをドライブし参戦しているが、WTCCマシンでの参戦は初となる。
8月の参戦時に、SP3クラスからエントリーし9分49秒というラップタイムをマークしクラスポールポジションを獲得したタルキーニは、今回のVLN挑戦はタイムを狙うことが目的ではないという。
「パフォーマンスを追うことは、今回の僕たちの目的じゃないんだ。このトラックにWTCCマシンを持ち込んで、最初のフィードバックを得ることが目的だ。僕たちが8月にドライブしたシビックはそこまでパワフルじゃなかったけど、コースを学ぶのにはちょうど良かったよ」と語るのはタルキーニ。
「今週末、通常のWTCCマシンとはまったく異なるセッティングが要求されるだろうね。違うレベルのダウンフォース、サスのセットもショックも車高も変えるだろう。サーキットはとてもバンピーだし、高低差もある。それにスローコーナーがなくて、ハイスピードコーナーばかりだからね」
タルキーニによれば、サーキットを良く知るモンテイロがこの週末の開発の多くを担うことになるという。VLNニュルブルクリンク耐久シリーズはFIA-GT3カーを頂点に多くの異なるクラスのマシンが参戦するレースで、今回のホンダ・シビックWTCCはVLN上ではSP-Xクラス(他にマンタイのポルシェ911カップが2台エントリー)から参戦。ゼッケンは51番となっている。