マクラーレンがF1イタリアGPに投入したローダウンフォース型リヤウイング。基本型は前戦ベルギーGPに投入されたものだが、全19戦で最も平均速度が高い超高速のモンツァでは、ベルギーGP時に装着されていたガーニーフラップも取り外され、超ローダウンフォース仕様となっていた。
マクラーレンのこの新リヤウイングの特徴は、メインフラップとアッパーフラップの間に設けられていた波形のギザギザしたエッジが、アッパーフラップの下端だけになったことだ。
手法は異なるが、マクラーレン以外にもレッドブル、フェラーリ、トロロッソら多くのチームがイタリアGPではローダウンフォース型の空力パッケージをまとっていた。その理由を、あるチーム関係者は次のように話す。
「今年のマシンはギアが8速になったことで、超高速のモンツァでもリミッターを気にせずにパワーユニットを回すことができる。だから、そのぶん空気抵抗を減らしてストレートスピードを伸ばしたほうがラップタイムが稼げるんです」
新パワーユニットが戦い方のセオリーを変えていると実感した、今年のイタリアGPだった。
(尾張正博)