スーパーGT300クラス向けに、GTアソシエイションが企画・開発したGT300マザーシャシーを使ったトヨタ86。第6戦鈴鹿でお披露目されたマシンが岡山国際サーキットに持ち込まれ、11日にシェイクダウンがスタートした。
近年、スーパーGTでは安価なカスタマー向けレーシングカー、FIA-GT3規定の車両が多く導入されているが、GTAとしては日本のモータースポーツ業界が長年培ってきた技術力を活かし、かつ発展させ『日本のものづくり』を育てていくために、安価な専用モノコックにチームが独自に開発することができるGT300マザーシャシー構想を立ち上げ、トヨタ86をボディとしてプロトタイプを開発。8月末の鈴鹿でお披露目された。
このお披露目時にはまだハーネスが組み付けられておらず、走行できない状態だったが、9月9日に組み付けが完了し、10日夜にシェイクダウンのために岡山国際サーキットに持ち込まれた。
11日のシェイクダウンは走行セッションが4回設定されているが、午前最初のセッションはエンジンの始動と各部のチェックのみを行って走行せず。2回目のセッションでは、豊富なスーパーGT参戦経験を誇る土屋武士がステアリングを握ってコースインした。
30分間のセッションのうち、まずは1周走ってピットに戻り、確認作業した後、2ラップ走行を2回繰り返した。当然ながらまだ慣らし運転状態ということで、ラップタイムは2分前後となっている。
初ドライブした土屋は「第一印象はとてもいい。乗っていて違和感もないですね。シェイクダウンテストではいかに初期トラブルの洗い出しができるかが重要ですが、予定した周回数の中でそれも順調にできています」と手応えを語った。
このGT300マザーシャシーは、シェイクダウンを経てタイに空輸され、10月の第7戦ブリーラムでデビューを迎えることになるが、エントラントとなるトヨタ・チーム・タイランドのアルト・ステポン・スミタチャルチ監督、ドライバーのナッターウッド・シャロエンスクハワタナも岡山を訪れ、トヨタ86と土屋の走りを見つめた。ナッターウッドはこの日最後のセッションでステアリングを握る予定だ。
(Takeru Matsunuma)