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お客様の自宅を訪問したら「チェンジ!」と言われた話

2014年09月10日 16:00  キャリコネニュース

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「女性でパソコンの設定員をやっています」

そう言っても、疑われることが結構あります。特に「ハードウェアの修理が得意」というと、まず信用されません。ゆえに以前書いたとおり、入社前にハードケースを持ち上げさせられるような愉快な試練が待っているわけでございます。

こういったことは、実は出張サポート先でも発生します。東京では女性のPCサポート員がそれなりにいると聞いたのですが、現在住んでいる日本海側の中規模都市レベルではまだまだ珍しく、おかげで妙な事件に遭遇することも多々あるのです。(文:光明隠歌)

女が俺のパソコンを設定できるわけがない

私が以前働いていた中小企業では、親会社から依頼を受けて客先へPCサポートに赴く体制になっておりました。ある日の昼下がり。14時に訪問するよう指示を受け、5分前にお客様の家に到着してピンポーンとチャイムを鳴らすと、出てきたのはおじさんでした。

「こんに……」
「セールスお断りだ」

ぴしゃん。こちらの言葉を待たずに、引き戸の玄関を閉められてしまいました。……たまにあります。セールスと間違えられることは。とりあえず深呼吸をして、もう一度チャイムを押します。

「うるせいな! セールスはお断りだと……」
「違います! 昨日お電話しました○○社です! パソコンの設定にお伺いしました!」

「あ? ○○社?」おじさんはようやくドアを開けてくれました。肩で息をする私を凝視するおじさんに、反応がないのでもう一度「パソコンの設定に……」と言いかけたその時。思いもよらない反応が返ってきました。

「チェンジ!」
「はい?」
「チェンジだ。女が俺のパソコンを設定できるわけがない。ちゃんと設定できる奴をよこせ!」

代わりにコミュ障上司「あれでも男だから」

人というのは、予想外の発言に対して俊敏に行動できないものです。そのまま固まってしまった私の目の前で、また玄関は閉められてしまいました。しばらく考えましたが、このまま正面突破しても無理だろうと判断し、親会社にとりあえず電話します。

電話に出た担当さんは、すでに慌てていました。

「あ、光明さん! 今、よくわからないクレームが来てるんですけど!」
「(え、お客様、早速電話したのね!)あの、実は、私がお伺いしたら、女なのでチェンジと言われまして」
「は?」
「玄関先で、女にパソコン設定できないって言われて、そのまま……」

担当さんは、そのまま黙りこんでしまいました。その後、お客様とどういう話をしたのか知る由もありませんが、結局「再訪問対応」扱いとなりました。

新たに担当したのは以前も紹介した、挨拶ひとつできない「コミュ障」上司のZ氏。私は心配になって、親会社の担当に「あのうるさそうなお客様にZを派遣して、大丈夫なんでしょうか?」と電話したところ、こういう回答が返ってきました。

「あれでも男だから」

まあ、そうなんですけどね。

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