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鉄オタが出張すると、運賃計算ソフトより「交通費が13%も安く済みます」

2014年09月10日 15:40  キャリコネニュース

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PCサポートで生計を立てている私ですが、実は現在急増中(?)の女性鉄道オタク、通称「鉄子」でもあります。この趣味が、たまに仕事にも役立つことがあるのです。

サポートには電話対応だけでなく、出張修理もあります。ある会社にいたときには、各営業所のサポート員のヘルプとして、客先への出張サポートを行っていた時期もありました。(文:光明隠歌)

電車を乗り継ぎ、富山県と石川県のお客様を訪問

ある日、名古屋営業所にヘルプ派遣された時のこと。前日渡されたスケジュールには、次の通り記載されていました。

「初日は12時に富山県高岡市のお客様(最寄:伏木駅)→15時に富山県富山市(富山駅)→17時に石川県金沢市(森本駅)。金沢で宿泊し、翌日は9時に石川県金沢市(西金沢駅)→11時に石川県白山市(美川駅)→昼食を食べて帰社」

移動に使う切符は、原則として出張先の営業所がすべて用意することになっていました。しかし事務員さんが忙しかったらしく、「事務所に戻ったら精算するから」と切符の代金を立て替えてほしいと言われたのです。

出張から戻ってきて、JRの領収書とともに出張報告書を出すと、事務員さんに、

「あら、JRは領収書いらないんですよ」

と言われました。いまは運賃計算ソフトで運賃がすぐに計算できるので、特に必要がないのだとか。「へえ、そうなんだ……」と思いながら席に戻ると、しばらくして事務員さんが血相を変えて飛んできました。

「光明さん! これ、どうやって行ったんですか!」
「え、どうやってって、あの…」
「計算が合わないんですよ! 何度調べても!」

別に余計な路線に乗ったわけじゃないしなあ、と考えていると、事務員さんは「なんで運賃計算ソフトの計算結果よりも、請求金額が少ないんですか!」と言い出しました。

「長距離乗車券の途中下車」というテクニック

そこで私は、事務員さんの驚きの理由が分かり、思わず苦笑してしまいました。実はこのとき、私は乗車券を「名古屋-富山」間の往復で購入し、途中下車をしながら仕事をこなしていたのでした。

ただしこれでは、ルートから外れる氷見線伏木駅のお客様のところには行けないので、別に高岡-伏木間の往復乗車券を買っています。

ついでに、時刻表を繰りつつ動いた結果、「わざわざ短距離で特急列車に乗る必要がないな」と判断し、特急区間は行きの名古屋-高岡間と、帰りの小松-名古屋間しか購入しませんでした。

これに対し事務員さんは、お客様を訪問するたびに切符を買い直す前提で計算をしておりました。また、普段から他のサポート員は特急列車をぜいたくに使っていたのか、短距離区間でも特急を使うことを前提とした計算をしていました。

当時のルートの運賃をあらためて計算しなおして見たところ、運賃計算ソフトでは1万8370円のところ、私の方法では1万5980円。その差は2390円、13%の経費削減となります。私は事務員さんに、

「片道の営業キロが101キロ以上の普通乗車券は、後戻りしない限り何度でも途中下車ができるんですよ」

と説明すると、「そんなことできるんですね―」と感心されました。そして、「領収書がこの金額だし…」というわけで、実際に使った金額が払い戻されました。

ガチの「鉄オタ」男性社員の鉄道談義を聞かされる

後々考えると、領収書はいらなかったのですから、事務員さんも「運賃計算ソフトの金額」を黙って払ってくれてもよかったのに、と思ったのは秘密です。ついでに、次にヘルプで行った大阪営業所で、

「光明さん、鉄オタって名古屋から聞いたんですけど、本当ですか!」

と、ガチの鉄オタ男性社員の鉄道談義を聞かされるという「サポート」までさせられたので、やっぱり鉄オタの知識を無闇に披露するのは失敗だったな、と考え直したのも秘密です。

ちなみに運賃分割した方が安くなるケースも存在し、必ずしも途中下車がおトクとは限らないので、念のため。

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