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PCサポーターでいちばん大事なスキルは 「相手に合わせた説明ができること」

2014年09月10日 15:40  キャリコネニュース

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前回「PCサポーターになるのにIT系の資格はいらないけど…」という話をしました。では、知識があって運転免許があればサポーターとしての仕事は可能なのでしょうか?

いいえ、知識があって仮に就職できたとしても、それだけではサポートの仕事をこなすことは難しいのです。今回は、資格云々ではわからない「PCサポーターに必要な要素」についてお話ししたいと思います。(文:光明隠歌)

「Yahoo!は開きますか?」が通じない相手も

IT系知識のある方がパソコンなどのサポートをするときに、よくやりがちなのが「専門用語の羅列」です。

例えば、「インターネットがつながらない」という問い合わせがあったとします。いろいろと原因はありますが、まずは、その開いたサイトだけがつながらないのか、それともどこのサイトも全然ダメなのか確認するとしましょう。このとき、

「Yahoo!やGoogleは開きますか? 他のブラウザでも同様の現象が発生しますか?」

といった質問をする方がいます。一見普通そうですが、問い合わせた相手の知識によっては、この聞き方では分からない場合があるということに注意すべきです。

「え、Yahoo!やGoogleは専門用語じゃないでしょ?」と思った方は要注意です。今や誰もがインターネットを使える時代ですが、自分のIT知識を全員が持っているとは限らないのです。そもそも「ブラウザ」や「IE」「Firefox」などを知らない人が大勢いて、そんな人たちも、このサイトを見ていたりするのです。

こういったサポートをする場合、特に電話でのサポートの場合、相手のレベルに合わせた用語を使い分けなければいけません。第一声でどの知識レベルか判断できる必要はありませんが、会話をしつつ相手の知識を探っていき、相手にわかるようにサポートしていくことが必要になります。この能力は、知識とは別の領域になります。

こういった「能力」のないサポーターの中には、下手をすると普通の主婦やお爺さんに「MACアドレス教えてください」とか「ipconfig叩いてください」とかさらっと言ってしまう人もおります。そんな調子では、サポーターとしての仕事は厳しいなあと思います。

正しい用語にこだわりイライラする人は向かない

また、正しい用語にこだわり、相手に通じるための言い換えに対し「わかってない!」というツッコミをしたくなるような方は、イライラが溜まるかもしれません。正しい用語を使うことが必ずしも相手に通じるとは限らないのです。

余談ですが、私のやっている職業も、PCサポーターというよりは「ICTサポーター」と呼ぶのが正確ですが、一般的にまだ馴染みがないのでPCサポーターの名称を使っています。

また、IT系の知識が豊富な方は、横文字を躊躇なく会話などに入れてしまうという問題があります。同じようなエンジニアさんと喋っている分には問題にならないのですが、知識のない方には「何だか分からないけどすごいことを言ってるんだな」で終わってしまいます。

これはPCサポーターではありませんが、企業の公式サイト製作を請け負うときに、

「今どきHTMLやCSSなど古い。WordPressをインストールすべきである。プラグインも豊富にあるから簡単だ! ユーザビリティやSEO対策を施すのも重要である!」

といったような言葉遣いをするITコンサルタントさんがいたりします。これを聞いたユーザーさんは、「さっぱりわからないけれど、集客とかで、何かすごいことなんでしょ?」と私に聞いてきます。

この話を聞いて「ググればいいのに」と考えてしまう人は、やはりPCサポーターとしての適性は乏しいかなあと思います。ちなみに「ググる」も一般的に通じるとは限りません。

特別な能力ではないが、日々精進し続けるもの

ここまで読んで「あなたはサポーターとしての適性はないよ!」と言われた気分になった方もいるでしょう。だからといって落ち込む必要はありません。そういう方は別の場所でその能力を発揮すればいいのです。

IT系の仕事というのは、何もサポートだけではありません。開発にしろ営業にしろ、これらの知識を持ち合わせていないとやっていけない仕事は山のようにあるのです。

PCサポーターという仕事は知識も必要なのですが、それ以上に必要なのは「相手の知識に合わせて説明する会話術」だと思っています。言い換えや喩えといった話術を多用することもあります。

そういう意味において、私自身はまだまだ未熟なサポーターではあります。こういったことは日々精進し続けるものであり、特別な能力ではないと思っています。

ただ、習得しよう、相手や自分の会話に気をつけようということが苦手な方は、他の仕事を選んだほうが幸せかと思います。名選手が、必ずしも名選手を育てる能力のある名コーチになれるとは限らないのと一緒なのです。こういうのは。

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