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ドライバーの“パペット化”に懸念。無線が制限か

2014年09月10日 15:30  AUTOSPORT web

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2014年オーストリアGP メルセデスピットウォール
ドライバーたちのレース運びをサポートするチームラジオを制限するという案がF1上層部で検討されている。

 イタリアGPの際にF1ストラテジーグループの会合が行われ、多数のチームからFIAに対し、無線通信の一部を禁止するよう求める声が上がった。

 ドライバーたちがピットからの指示に従って動くだけの“操り人形”になりつつあることが、ファンの関心を削ぐ心配があるというのが、この提案がなされた理由だ。

 年々ドライバーたちは走行中にピットからの情報に頼るようになっており、チームメイトと比べてどこでラップタイムを削れるのかなどに関してチームのアドバイスを求めている。

 特にタイトル争いをしているメルセデスのニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンがチームから絶え間なく情報を与えられて走行しているのが目立ち、そういったことがF1人気の落ち込みにつながっているのではないかと、F1上層部は考えている。

 チームからの無線を完全にとりやめることは考えられておらず、ピットからドライバーのパフォーマンス向上に役立つための情報を与えることを制限したいというのが提案の意図である。


 F1スポーティングレギュレーション20.1条には「ドライバーは単独で助けを受けずにマシンを走らせなければならない」と定められている。

 これによりFIAは、手順あるいは安全に関する内容ではなくドライバーのパフォーマンス向上に役立つ情報をピットから連絡することは規則違反であると判断する可能性がある。

 ドライバーからの無線はファンが楽しんでいるため禁止されない見込みだ。

 この件についてはチームとFIAが話し合いを続け、シンガポールGPの前に結論が出されるものと考えられている。